【はじめに】
この記事では、お天気歳時記と題して、全国各地の「真夏日」の終日について見ていきます。2022年10月1日、北海道で観測史上初めて「10月の真夏日」が記録され一部で話題となりました。
例えば「網走」の観測点では、1889年(明治22年)の観測開始から120年以上の観測歴で初めてということですから如何に異常気象が進んでいるかがお分かり頂けるかと思います。
一方で、その他の地点では、一体いつ頃が「真夏日」終日の定番の季節なのでしょう。案外知りませんよね? ということで今回、主要都市に絞ってにはなりますが、気象庁のホームページからデータを探ってみましたので、ぜひお読み下さい!
概要
まずはタイトルにもある「真夏日」についてのおさらいです。
最高気温
日最高気温ともいう。着目している日、すなわち0時から24時までに観測された気温の最高値。晴天の日では12時から15時の間に観測されることが多いが、そのときの気圧配置によって夜中に観測されることもある。真夏日(まなつび)
気温
日最高気温が30°C以上の日。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
勿論、言葉を額面通りに受け取れば「真夏日」は本来『真夏』の時期にだけ登場してほしいものです。しかし現実には「30℃」以上という『真夏日』は暦の上では秋を迎えても普通に来てしまいますよね。
そこで気象庁のホームページのデータを抜粋して、各都市の「真夏日」終日の時期(二十四節気)を、ざっくりの傾向値として下にまとめました。皆さんの最寄りの都市がない場合は、ぜひ気象庁のHPのデータから各々で調べてみて下さい。
代表的な都市にみる「真夏日」終日の時期
(出典)気象庁 ホーム > 各種データ・資料 > 過去の気象データ検索
「札幌」 (大暑 ~ 白露)
2022年では、北海道で観測史上初めて10月に真夏日を観測して話題になりましたが、「札幌」では真夏日には達さず、基本的には9月中旬までに観測するのみです。
年 | 観測日 | 最高気温 | 年 | 観測日 | 最高気温 |
---|---|---|---|---|---|
2011 | 09/01 | 31.0 | 2012 | 09/18 | 30.5 |
2013 | 08/19 | 31.7 | 2014 | 08/04 | 31.7 |
2015 | 08/05 | 34.5 | 2016 | 09/02 | 30.3 |
2017 | 07/15 | 33.4 | 2018 | 08/01 | 32.5 |
2019 | 09/09 | 32.6 | 2020 | 09/09 | 31.5 |
2021 | 08/30 | 30.3 | 2022 | 09/09 | 30.0 |
逆に2017年に至っては7月15日に猛暑近い気温を観測して以降、全く真夏日に達さず秋を迎えるなどの特徴があります。8月と9月でおよそ半々、イメージ的には『初秋』な印象でしょうか。
「仙台」 (処暑 ~ 白露)
本州・仙台であっても9月後半に真夏日となることは珍しく、半数近くは8月(初秋)までです。ただタイミング的には「処暑」から「白露」の間に纏まっていることが分かります。
年 | 観測日 | 最高気温 | 年 | 観測日 | 最高気温 |
---|---|---|---|---|---|
2011 | 09/18 | 32.9 | 2012 | 09/18 | 30.9 |
2013 | 09/01 | 32.2 | 2014 | 08/24 | 31.6 |
2015 | 09/02 | 32.3 | 2016 | 09/09 | 30.3 |
2017 | 08/29 | 30.9 | 2018 | 09/06 | 31.6 |
2019 | 09/10 | 33.9 | 2020 | 09/09 | 32.6 |
2021 | 08/30 | 31.0 | 2022 | 08/23 | 32.0 |
「東京」 (白露 ~ 秋分)
それが「東京」になると季節感が変わり、9月から10月にかけてというタイミングになります。いわば9月以降が本格的に「残暑」という印象に変わりつつあるように感じます。
10月上旬(それこそスポーツの日の直前)ぐらいまでは年によっては「真夏日」を観測することも決して珍しくないという事実は覚えておいて損はないかと思います。
年 | 観測日 | 最高気温 | 年 | 観測日 | 最高気温 |
---|---|---|---|---|---|
2011 | 09/19 | 31.1 | 2012 | 10/01 | 31.0 |
2013 | 10/12 | 31.3 | 2014 | 09/06 | 31.1 |
2015 | 09/04 | 30.1 | 2016 | 10/06 | 31.3 |
2017 | 09/18 | 33.3 | 2018 | 10/07 | 32.3 |
2019 | 10/05 | 30.3 | 2020 | 09/18 | 33.4 |
2021 | 10/02 | 30.1 | 2022 |
「大阪」 (秋分 ~ 寒露)
「大阪」まで西に向かっても、傾向はあまり変わりません。ただ、少なくとも9月後半までは真夏日に観測する年ばかりですし、半数は10月の「寒露」に差し掛かるような年もあります。
年 | 観測日 | 最高気温 | 年 | 観測日 | 最高気温 |
---|---|---|---|---|---|
2011 | 09/19 | 31.9 | 2012 | 09/25 | 30.2 |
2013 | 10/11 | 31.3 | 2014 | 09/16 | 30.6 |
2015 | 09/23 | 30.7 | 2016 | 10/08 | 31.1 |
2017 | 09/26 | 30.1 | 2018 | 10/06 | 31.3 |
2019 | 10/03 | 30.9 | 2020 | 09/23 | 30.1 |
2021 | 10/10 | 31.4 | 2022 |
「鹿児島」(秋分 ~ 霜降)
「鹿児島」まで南下すれば、10月中に真夏日が訪れることが当たり前になってきます。そして、10月の後半に真夏日が訪れたり、10月前半に複数日30℃を超える事も決して珍しくなくなるのです。2015年には10月24日と「霜降」に至らんとする時期まで「真夏日」の残暑が続くというのは驚きますね~
年 | 観測日 | 最高気温 | 年 | 観測日 | 最高気温 |
---|---|---|---|---|---|
2011 | 09/29 | 30.2 | 2012 | 09/27 | 30.0 |
2013 | 10/07 | 30.1 | 2014 | 10/03 | 30.5 |
2015 | 10/24 | 30.0 | 2016 | 10/07 | 30.5 |
2017 | 10/10 | 30.7 | 2018 | 09/23 | 31.1 |
2019 | 10/19 | 30.1 | 2020 | 10/10 | 31.3 |
2021 | 10/14 | 30.8 | 2022 |
「那覇」 (秋分 ~ 霜降)
この傾向は実は「那覇」に至っても劇的に変わる訳ではありません。そもそも本州に比べて「真夏日」の基準でみると「那覇」は多くない部類であることも影響しているのでしょう。
もちろん11月に入って29.9℃を観測する年があったりもするのですが、2011年以降は10月中をもって真夏日の終日を観測していますから、全国的にみても基本的には「真夏日」の終日は10月中に来るものだと言えそうです。
年 | 観測日 | 最高気温 | 年 | 観測日 | 最高気温 |
---|---|---|---|---|---|
2011 | 10/20 | 30.6 | 2012 | 09/22 | 30.2 |
2013 | 10/11 | 30.0 | 2014 | 10/09 | 30.0 |
2015 | 10/05 | 30.5 | 2016 | 10/28 | 30.2 |
2017 | 10/20 | 30.6 | 2018 | 09/27 | 30.6 |
2019 | 10/17 | 31.8 | 2020 | 10/20 | 30.0 |
2021 | 10/15 | 30.3 | 2022 |
【まとめ】
以上を纏めると、北日本を除くとかなりの地域で、『秋の中盤』に訪れることが多いです。「猛暑日」の終日が秋の序盤に来ることとも呼応しているように感じます。
もし「真夏日終日(8日)」、「真夏終日(7日)」などの形で、気象用語『真夏日(最高気温:30℃以上)』の終日を季語として捉えるならば、『秋の中盤』であるとの印象が強い言葉となるでしょう。
「夏の果」や「秋立つ」などの伝統的な季語は、太陽暦に従って定められますが、現実の体感としての『夏の果』はひょっとすると現代においては9月下旬頃にあるのかも知れません。皆さんの地域では、どうですか? ぜひご意見などをお聞かせ下さいませ~
コメント