【はじめに】
この記事では、二十四節気「大暑」について、日本語版ウィキペディアなどで調べて、俳句歳時記にも掲載されているような名句をみていきたいと思います。
ウィキペディアにみる「小暑」について
大暑(たいしょ)は、二十四節気の第12。六月中(通常旧暦6月内)。
現在広まっている定気法では太陽黄経が120度のとき(黄道十二宮では獅子宮の原点に相当)で7月23日ごろ。暦ではそれが起こる日だが、天文学ではその瞬間とする。平気法では冬至から7/12年(約213.06日)後で7月23日ごろ。期間としての意味もあり、この日から、次の節気の立秋前日までである。
大暑
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』( 以下省略 )
季節
快晴が続き、気温が上がり続けるころ。『暦便覧』には「暑気いたりつまりたるゆえんなればなり」と記されている。
夏の土用が大暑の数日前から始まり、大暑の間じゅう続く。土用の丑の日には鰻を食べる習慣もある。小暑と大暑の一か月間が暑中で、暑中見舞いはこの期間内に送る。立秋以降は残暑見舞いになる。
大寒と互いに半年後・半年前である。小寒と小暑も同じ関係である。
日付
ウィキペディアの記載を要約して纏めると、「年を4で割った余り」が0か1の年は「22日」であり、2か3の年は「23日」です。
該当するのはいずれにしても7月下旬で、イメージとしては、「海の日」の頃であったり、「夏休み」の始まる頃であったり、或いは例年であれば「梅雨明け」であったり、そんなタイミングです。一つ前の二十四節気である「小暑」との境目あたりになる7月の後半は、文字通りの『暑さの盛り』といえることは皆さんの経験則からも納得が行くのではないでしょうか。
少しひねくれた言い方をしてしまえば、8月の「立秋」や「処暑」、9月の「白露」など日本における体感と一致しない時期も少なくない「二十四節気」が、ピタッと当てはまるのがこの「暑」の季節かという風に個人的には思います。
七十二候
大暑の期間の七十二候は以下のとおり。
- 初候
- 次候
- 土潤溽暑(つち うるおいて あつし(じょくしょす))
: 土が湿って蒸暑くなる(日本・中国)
- 土潤溽暑(つち うるおいて あつし(じょくしょす))
- 末候
- 大雨時行(たいう ときに ゆく(ときどき おこなう))
: 時として大雨が降る(日本・中国)
- 大雨時行(たいう ときに ゆく(ときどき おこなう))
このうち、「腐草為蛍」や「溽暑(じょくしょ)」については、俳句歳時記にもよく掲載されていて、その漢字のイメージから作句例も比較的多い季語だと思います。
代表的なところでは、プレバト!! で石田明さんや犬山紙子さんが「溽暑」を詠み込んだ作品を披露しています。(↓)
俳句歳時記にみる「大暑」の名句5句について
最後に、『角川俳句大歳時記』などから「大暑」の名句を5句ほどピックアップをしてみましたので、一緒に見ていきましょう。
5句中4句が「大暑かな」と詠嘆していて最後の句も「けり」という切れ字で終わっています。二十四節気の中でも「たいしょ」と3音で読めるため切れ字との相性が抜群に良いのが魅力的です。
そして、5句中4句(3句目を除く)は、もう文字を読むだけで分かるほどに「暑さ(しかも人間などの体感に基づいた暑さ)」をテーマとした作品です。恐らく、二十四節気の中で最も「大暑」が、暑さに偏った作句傾向にあるのではないかと思うほどです。
3句目に示した日野草城の『水晶の念珠つめたき大暑かな』は、例外的に『涼しさ』を詠み込んだ作品です。ただし、「水晶」とか「つめたき」とか涼しい感じを全面に出して何とかバランスを取っているぐらいですから、例外といえるかも知れません。
非常にストレートで分かりやすい字面である「大暑」という季語にもたれて、その暑さを際立たせる様な事物を取り合わせるだけでも、それなりの句が出来上がると思います。情け容赦なく暑いイメージの「大暑」という季語にどうぞ向き合って、暑さをしばし忘れてみては如何でしょうか。暑いですけど(^^;
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