競馬歳時記【4月3週】「アーリントンC」(Arlington Cup)

【はじめに】
今回は、「アーリントンC」の歴史などをWikipediaと共に振り返っていきましょう。

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アーリントンカップは、日本中央競馬会(JRA)が阪神競馬場で施行する中央競馬の重賞(GIII)である。正賞はアーリントンインターナショナル賞。

アーリントンカップ > 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

前身(1987~1991年):ペガサスC

「アーリントンC」の歴史を振り返る前に、前身となる「ペガサスカップ」について簡単に触れておきます。現代になって「ペガサスワールドカップ」というアメリカの高額賞金のG1が創設されましたが、当然それとは無関係ですよ(^^

1987年の中央競馬の短距離路線の充実化の一環により、阪神競馬場の4歳(現3歳)の別定の芝1600mの重賞競走として創設されたが、1991年に阪神競馬場とアーリントン国際競馬場が提携を結んだのを機に交換競走を施行する事に伴い第5回競走を最後に廃止され、競走機能は1992年に新設されたアーリントンカップに引き継がれた。

僅か5年間の施行ではあったが、第2回に地方笠松から中央競馬(瀬戸口勉厩舎)に移籍したばかりのオグリキャップが中央での初戦として出走した競走であった為、今でも記憶に留める競馬ファンも少なくない。 また第3回優勝馬シャダイカグラはこの競走をステップに桜花賞を制している。

ペガサスステークス > 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

この頃は3月上旬に開催され、実質的には春1冠目のレースのトライアル相当と位置づけられました。

ずっと連対を外さず、桜花賞・オークスでも中心的な存在となった【シャダイカグラ】の存在も大きかったですし、それとは別に【オグリキャップ】が中央転戦緒戦に選び、予想以上の強さを見せたレースでもありました。

1990年代:2月下旬頃に開催、スプリンター活躍

1992年から、阪神競馬場とアーリントン国際競馬場(Arlington International Racecourse、2000年からはアーリントンパーク競馬場)が提携を結んだのを機に、ペガサスステークスは「アーリントンカップ」に改称された。アーリントンパーク競馬場からは賞の寄贈が行われている。

一方、姉妹提携先のアーリントンパーク競馬場では、交換競走として「Hanshin Cup Stakes(阪神カップステークス)」が施行されている。

アーリントンカップ > 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

新設として第1回となった1992年の「アーリントンC」は3月上旬開催でしたが、その後2017年まで2月下旬から3月上旬の開催が続きます。

初回の勝ち馬は牝馬のエルカーサリバーで、秋以降は中距離の重賞を3勝しています。しかし他の多くの馬は、どちらかというと「スプリント~マイル」に適正のある馬が多い印象となりました。

これら3頭は、古馬にかけて短・マイル路線に活躍した馬であり、当時はクラシックと無縁のアメリカ産馬でした。「NHKマイルC」の創設によって、マイル傾向の強い牡馬は、皐月賞のトライアルレースでなくこちらを選ぶ機会も出てくるようになります。

2000年代:武豊4勝、タニノギムレット輩出

( 同上 )

2000年代に入ると、武豊騎手が4勝(弟・幸四郎騎手を含めると武兄弟が5連覇)を果たします。その中でも、2002年の勝ち馬【タニノギムレット】は、この舞台を4連勝で制した後の2戦は3着と惜敗しますが、東京優駿(日本ダービー)でシンボリクリスエスを下しダービー馬となっています。

その他の勝ち馬をみると、2000年のエイシンプレストン、2001年のダンツフレーム、2003年のウインクリューガー、2004年のシーキングザダイヤと、2000年代前半はいずれもG1級で活躍する馬を輩出。

しかし、2000年代後半に入ると、GIIIを1勝できるかどうかという馬が5頭続く結果となり、その後にも続くレースレベルの低下が顕著になっていきます。

2010年代:4月に移行、レーティング回復

( 同上 )

2010年代に入ると、古馬になっても活躍する馬の名前がまた目立ってくるようになります。古馬になって覚醒をした【ジャスタウェイ】から、コパノリチャード、ミッキーアイルと3年連続G1馬を輩出。

さらに、重賞連勝を果たしているヤングマンパワーを挟んで、レインボーライン、ペルシアンナイト、タワーオブロンドンと再び3年連続G1馬を輩出しています。このうち、レインボーラインは3200mの天皇賞(春)の勝ち馬ですから、3歳春の段階での適正は見通せないものです。

  • 2018年
    • 開催時期を4月に変更し、NHKマイルカップトライアルに指定されるとともに、NHKマイルカップの優先出走権を3着までに付与される。
    • 負担重量を馬齢重量に変更。

2019年は12番人気のイベリスが勝ちましたが、2017年からの5年間で1番人気が4勝しています。昔からこの「アーリントンC」は、1番人気が勝つか大敗する傾向が強い印象です。

レース
レート
勝ち馬備考
2016109.00レインボーライン
2017107.50ペルシアンナイト
2018110.00タワーオブロンドン4月に移行
2019110.00イベリス
2020108.75タイセイビジョン
2021112.50ホウオウアマゾン
2022

そしてレーティング的には、4月に移った2018年以降は平均して「110(GIIの目安)」付近で推移していて、GIIなのに110を全く超えられない「ニュージーランドT」に水をあけられてしまっています。

個人的には近年の充実ぶりからして、「ニュージーランドT」がギリギリ“降格”を回避したからといってゾンビ的にGIIに延命するのではなく、「アーリントンC」をGIIに昇格させる方が良いのではないかなと感じるのですが、皆さん如何でしょう。

今年はどういった馬が活躍するのか、1番人気が期待に応えてくれるのか、楽しみにしましょう。

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