【はじめに】
この記事では、日本語版ウィキペディアにある「地震の年表(日本)」の記事から、『巨大地震』(M8以上)の部分をピックアップしていきたいと思います。
全体的にかなり雑多に情報が並んでいて見づらい印象を受けていたので、巨大地震の可能性がある規模の地震について抜き出すことで、全体でのトレンドが掴みやすくなるのではないかなと期待しました。
細かい地震については、リンク先のウィキペディアおよび関連書籍、そして私のブログの記事などからもお調べ頂ければと思いますので、早速みていきましょう!
ちなみに、今回の記事を書くにあたって改めて本ウィキペディアの記事を読んでみたのですが、出典がかなり補われたり、疑問のあるものに「※」印がつけられたりと、工夫が重ねられていますので、古い地震に関心の高い方はご一読を推奨します。
古代(4~12世紀)
- 4世紀 – 5世紀ごろまたは430年ごろ
三陸から房総にかけてM9級の超巨大海溝型地震と津波発生の可能性。産総研は869年の貞観地震と2011年の東北地方太平洋沖地震と同程度の規模の津波だったとみている。宮城県気仙沼市大谷海岸で津波による堆積物が発見された。 - 684年 白鳳地震(天武地震、南海道沖または、南海トラフ全域が震源域の可能性あり) – M8 1⁄4(Mw8 – 9)、死者多数。土佐で津波により大きな被害。
- 745年 天平地震 – M7.9。岐阜県美濃地方で地震。天皇平城京に復都。
- 818年 弘仁地震 – M7.9、上野国、武蔵国などの関東内陸で液状化を伴う地震。
- 869年 貞観地震 – M8.3 – 8.6(Mw>8.7)、陸奥国地大震動、地震に伴う津波(貞観津波)の被害が甚大で死者約1,000人。多賀城損壊。
- 887年 仁和地震(南海道沖または、南海トラフ全域が震源域とする説あり) – M8 – 8.5、五畿七道諸国大震、京都・摂津を中心に死者多数。津波あり。
- 1096年 永長地震(嘉保地震、東海道沖の地震または南海トラフ全域) – M8 – 8.5
- 1099年 康和地震(承徳地震、南海道沖の地震?) – M6.4 – 8.5
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中世(13~16世紀)
- 1293年 鎌倉大地震(永仁鎌倉地震) – M8クラスの相模トラフ巨大地震との説がある。建長寺などで火災発生、死者2万3000人あまり、余震多発。
- 1361年 正平・康安地震(南海道沖または、一部東海道沖を含むなど、震源域諸説あり) – M8+1⁄4 – 8.5、死者多数。摂津・阿波・土佐で津波により大きな被害。
- 1408年 応永地震 – M7 – 8。京都で地震。
- 1454年 享徳地震 – Mw>8.4 会津で強震、奥州海岸に大津波で人が多く流される。
- 1498年 明応地震(東海道沖の巨大地震) – M8.2 – 8.4、『林叟院創記』に溺死者2.6万人。
- 1586年 天正地震(東海東山道地震、飛騨・美濃・近江地震) – M7.8 – 8.1(8クラスの地震と6クラスの地震が接近して立て続けに発生した可能性あり)、死者多数。飛騨・越中などで山崩れ多発、白川郷で民家数百軒が埋まる。内ヶ島氏、帰雲城もろとも滅亡。三河湾と若狭湾という日本海・太平洋両岸での大津波記録が複数あり、複数の地震の同日発生の可能性がある。養老断層(愛知県)、阿寺断層(岐阜県)の2つの断層が活動したとする説もある。
さらに若狭湾に津波をもたらした断層も活動したと考えられ、3つのセグメントで地震が同日に3つ以上発生した可能性もある。
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近世(17~19世紀前半)
- 17世紀前半……津波堆積物の分析から、この時期に千島海溝南部(十勝沖から根室沖まで)を震源とするM8.6クラスの地震が発生したと推定されている(17世紀型の地震)。1611年または1635年説あり。
- 1605年 慶長地震(南海トラフ津波地震説、東海はるか沖地震説、または房総沖と南海沖の二元地震説、伊豆・小笠原海溝地震説あり) – M7.9 – 8、関東から九州までの太平洋岸に津波、紀伊・阿波・土佐などで大きな被害。八丈島でも津波による死者数十人。
- 1611年 慶長三陸地震 – M8.1(Mw>8.5)。三陸沖(日本海溝付近)の地震と考えられてきたが、十勝・根室沖(千島海溝)のM9クラスとする説もある。一方、東北地方太平洋側で繰り返し発生していると推定されるM9クラスの地震の候補ともされる。伊達領で大津波による死者約2,000 – 5,000人。
- 1614年 広い範囲で地震 – M7.7。
- 1677年 延宝八戸沖地震 – 陸奥、陸中、八戸沖(青森県東方沖)で地震 – M7+1⁄4 – 8.0、津波あり、三陸沖北部の固有地震。
- 1677年 延宝房総沖地震(延宝地震) – M8.0前後(Mw8.5)、死者500 – 600人。福島県 – 千葉県に津波(茨城県地方史上最大の津波被害)。
- 1703年 元禄地震(元禄関東地震) – M8.1 – 8.2(Mw8.1 – 8.5)、関東南部に津波。死者6,700人、潰家、流家約28,000軒(『楽只堂年録』)(死者20万人とも『鸚鵡籠中記』)。
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- 1707年 宝永地震(南海トラフ全域が震源域) – M8.4 – 8.6(Mw8.7〜9.3)、死者4,900 – 2万人以上、倒潰・流出家屋6万 – 8万軒とされるが被害の全体像は不明。関東から九州までの太平洋岸に津波、東海道宿場町で家屋倒壊・伊豆・伊勢・紀伊・阿波・土佐沿岸各地が津波で亡所となるなど大きな被害(『楽只堂年録』、『谷陵記』)。
地震から49日後に富士山の宝永大噴火。道後温泉の湧出が数か月間止まる。 - 1741年 寛保津波 – M6.9(Mt8.4)、死者2,033人。北海道西南沖の大島で火山性地震。大津波発生、佐渡・能登・若狭にも津波。
- 1771年 八重山地震(明和の大津波) – M7.4 – 8.0(Mt8.5, Mw8.7)、死者約12,000人。津波の最大遡上高85m※(日本記録『大波之時各村之形行書』)とされるが疑わしい。安房まで津波の到達と記録あり。
- 1793年 寛政地震(連動型宮城県沖地震) – M8.0 – 8.4、死者100人程度、陸中から常陸にかけて津波。
- 1833年 庄内沖地震(出羽・越後・佐渡地震、天保4年羽前沖地震) – M7+1⁄2±1⁄4(Mw8, Mt8.1)、死者40 – 130人。能登半島・東北・北陸の日本海沿岸に津波。1964年新潟地震の津波よりも規模が大きい。
- 1843年 天保十勝沖地震 – M7.5 – 8.0、死者46人。厚岸に津波。
近代(19世紀後半~20世紀前半)
- 1854年 12月23日(嘉永7年11月4日) 安政東海地震(東海道沖の巨大地震) – M8.4(Mw8.6)、死者2,000 – 3,000人とされるが詳細は不明。東海道宿場町で家屋倒壊・房総半島から四国に津波、特に伊豆から熊野にかけて大きな被害。
- 1854年 12月24日(嘉永7年11月5日) 安政南海地震(南海道沖の巨大地震) – M8.4(Mw8.7)、死者1,000 – 3,000人とされるが詳細は不明。
紀伊・土佐などで津波により大きな被害(串本で最大波高11m)。大坂湾に注ぐいくつかの川が逆流。道後温泉の湧出が数か月間止まる。稲むらの火のモデルとなった津波。 - 1856年8月23日(安政3年7月23日) 安政八戸沖地震 – M7.5 – 8.0(Mw8.3)、三陸および北海道に津波。死者29人。三陸沖北部の固有地震。
- 1891年(明治24年)10月28日 濃尾地震 – M8.0、濃尾平野北西部などで最大震度7相当と推定。死者・行方不明者7,273人。根尾谷断層の発生。
- 1894年(明治27年)3月22日 根室半島沖地震 – M7.9 – 8.2(Mt8.2)、死者1人。北海道・東北に津波。
- 1896年(明治29年)6月15日 明治三陸地震 – M8.2 – 8.5(Ms7.2 – 7.9, Mw8.5, Mt8.6)、津波地震、死者・行方不明者2万1959人。
- 1911年(明治44年)6月15日 喜界島地震 – M8.0(Mb8.1)、死者12人。
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- 1918年(大正7年)9月8日 択捉島沖地震 – M8(Ms8.2, Mw8.3, Mt8.5)、死者24人。
- 1923年(大正12年)9月1日 関東地震(大正関東地震、関東大震災) – M7.9(Ms8.2, Mt8.0, Mw 7.9 – 8.0, Mw8.2)、関東地方南部と山梨県で最大震度6。神奈川県と千葉県南部のそれぞれ一部で震度7相当と推定。死者・行方不明者10万5385人(1925年の調査では14万2800人)(日本災害史上最悪)。
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- 1933年(昭和8年)3月3日 昭和三陸地震(三陸沖地震) – Mj8.1(Mw8.4)、岩手県、宮城県、福島県、茨城県で最大震度5。大津波が発生し、死者・行方不明者3,064人。アウターライズ地震。
- 1944年(昭和19年)12月7日 東南海地震(昭和東南海地震) – 三重県沖、Mj7.9(Mw8.2)、静岡県御前崎市、三重県津市で最大震度6。静岡県袋井市付近、愛知県西尾市の旧矢作川流域で震度7相当と推定。死者・行方不明者1,223人、伊豆から紀伊にかけて津波。
- 1946年(昭和21年)12月21日 南海地震(昭和南海地震) – 和歌山県沖 – 四国沖、Mj8.0(Mw8.4)、中部地方から九州地方にかけて最大震度5。死者・行方不明者1,443人、房総から九州にかけて津波。
現代(20世紀後半~21世紀前半)
- 1952年(昭和27年)3月4日 十勝沖地震 – Mj8.2(Mw8.2)、北海道浦河町・帯広市・本別町・釧路市で最大震度5。死者・行方不明者33人。北海道から東北に津波。
- 1958年(昭和33年)11月7日 択捉島沖地震 – Mj8.1(Mw8.3)、北海道釧路市で最大震度5。太平洋岸各地に津波。
- 1963年(昭和38年)10月13日 択捉島沖地震 – Mj8.1(Mw8.3 – 8.5)、北海道浦河町・帯広市で最大震度4。択捉島から宮城県までで津波を観測。
- 1968年(昭和43年)5月16日 十勝沖地震 – Mj7.9(Mw8.3)、北海道、青森県、岩手県で最大震度5、三陸沿岸で5mの津波。死者・行方不明者52人。三陸沖北部の固有地震。
- 1969年(昭和44年)8月12日 色丹島沖地震 – Mj7.8(Mw8.2)、北海道広尾町・釧路市・根室市で最大震度4。
- 1973年(昭和48年)6月17日 根室半島沖地震 – Mj7.4(Mt8.1、Mw7.8)、北海道釧路市、根室市で最大震度5。津波地震。
- 1983年(昭和58年)5月26日 日本海中部地震 – Mj7.7(Mt8.1、Mw7.7)、青森県深浦町、むつ市、秋田県秋田市で最大震度5、日本海に大津波、死者104人。
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- 1993年(平成5年)7月12日 北海道南西沖地震 – Mj7.8(Mt8.1, Mw7.7)、奥尻島で推定震度6、北海道江差町・小樽市・寿都町、青森県深浦町で最大震度5。死者・行方不明者230人。奥尻島などへの巨大津波で甚大な被害。
- 1994年(平成6年) 10月4日 北海道東方沖地震 – Mj8.2(旧Mj8.1、Mw8.3)、北海道釧路市・厚岸町で最大震度6、死者・行方不明者は北方領土で11人。
- 2003年(平成15年)9月26日 十勝沖地震 – Mj8.0(Mw8.0 – 8.3)、北海道新冠町・静内町・浦河町・鹿追町・幕別町・豊頃町・忠類村・釧路町・厚岸町で最大震度6弱、死者・不明者2人。津波警報が発表され2mを超える津波が来襲し2人が飲み込まれ、2年後に1人が遺体で発見された。
- 2011年(平成23年)3月11日 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災) – Mw(モーメントマグニチュード)9.0 – 9.1(Mj8.4、日本の地震観測史上最大)。
宮城県栗原市で最大震度7。他に東日本の8県(岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉)で震度6弱以上を観測。
死者・行方不明者約2万2000人(うち災害関連死が約3,500人)。戦後最悪の震災。
北海道から関東地方にかけて太平洋沿岸部への巨大津波で甚大な被害。福島第一原子力発電所事故を招く。 - 2015年(平成27年)5月30日 小笠原諸島西方沖で地震 – Mj8.1(Mw7.8)、深さ682km。小笠原母島と神奈川県二宮町で震度5強。死者なし。気象庁によれば、1900年以降のM8以上の世界最深の地震。47都道府県全てで震度1以上の揺れを観測した。
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