複数回「津波注意報」などが発表された事例を振り返ってみた(東日本大震災から13年)

【はじめに】
津波注意報などの情報は年に複数回出されますが、一連の地震活動の中で「津波注意報」などが複数回出されることは案外レアケースです。そこで今回は断片的な情報から復元した「複数回『津波注意報』などが発表された事例」を振り返っていきます。

こうした事例が今後、起きないことを願うばかりですが、実際に起きてしまった際の参考となれば幸いです。早速参りましょう。

昭和時代:警報1本 → 警報・注意報の時代へ

年月震央名1回目2回目以降
1968/05十勝沖地震16日 09:497.916日 19:397.5
1973/06根室半島沖地震17日 12:557.424日 11:437.1
1978/03択捉島付近23日 09:306.723日 12:15
25日 04:47
7.0
7.3

例えば、1973年6月17日昼過ぎに起きた大地震(Mj7.4・Mw7.8・Mt8.1)の「根室半島沖地震」では、本震で13時台に北海道と東北の太平洋沿岸に津波警報が出され、花咲港ではMj7.4と比すると大きな2.8m以上という大津波が押し寄せました。死者こそ出なかったものの、浸水被害や負傷者が出ています。

そして、これから1週間後の6月24日の昼前に再びM7.1の大地震が起きて、釧路で再び震度5の強震を観測。一説には、北海道に津波警報が再び出され、数十センチの津波が観測されたとされています。

なお、1977年まではまだ「津波注意報」がなく、「津波警報」が持つ幅が広かったことに留意する必要はあろうかと思います。

平成序盤・中盤:三陸はるか沖地震で3回など

1989年:三陸はるか沖

津波警報・津波注意報が発表された事例の一覧
出店:日本語版ウィキペディア

4日の間隔を置き、1989年10月から11月にかけて「三陸はるか沖」を震源とする地震が起きました。遠くでM6クラスの地震が頻発し、特に11月2日の地震では青森・岩手県の4地点で震度4(中震)を観測し、津波も高めだったと伝わります。

1993年:北海道南西沖地震(奥尻島地震)

1993年7月12日に起きた「北海道南西沖地震」は、20世紀に起きた日本海側の地震で最大級のM7.8というものであり、本震での巨大な津波による被害(主に奥尻島)は記憶されています。しかしそれだけでなく、巨大地震が陸地に近いところで起きたこともあり、活発な地震活動は、M7.6だった「令和6年能登半島地震」をも上回る統計もあったと言います。

そうした中で本震から約4週間後の1993年8月8日未明には震度5を奥尻島で観測するM6.5の地震があり、これでは一連の活動で初めて津波注意報が発表。江差で若干の津波が観測されたそうです。

なお、この1993年8月8日の夕方にはグアム島沖を震源とする巨大地震があり、今度は日本列島の太平洋側に津波注意報が出されています。

1994年:北海道東方沖地震

1994年10月4日、Mj8.2(Mw8.3)という巨大地震(北海道東方沖地震)が起き、震央からやや離れていたものの釧路・厚岸で震度6の烈震を観測。北方領土で大津波による犠牲者が出たほか、北海道本島でも1.73mの津波を観測しました。

そしてその5日後(10月9日)にはM7.3という大きな余震があり、津波注意報が北・東日本一帯に出されましたが、こちらでは顕著な津波は記録されませんでした。

1994年:(3回)三陸はるか沖地震

同じ1994年の年末12月28日、「三陸はるか沖地震」が発生。M7.6という規模もあり、陸地から離れていた地震ながら八戸で震度6の烈震を観測し、東北の太平洋沿岸に津波警報が出されました。
更に年を跨いだ1995年1月1日には震度2を観測するM6クラスの地震があり津波注意報が観測されたそうであり、続けて1月7日には岩手県沖でM7.2で震度5を観測する大きな余震が発生しました。

なお、上記のように1993~95年1月にかけて北日本で地震が連発したことが、西日本での地震の警戒を高めることに繋がらず、「阪神・淡路大震災」を迎えてしまった事は記憶せねばならないでしょう。

1995年:択捉島南東沖

1995年12月3日の未明に羅臼町から盛岡市から震度1~2を観測(M6.8)して、津波注意報が発表。その翌日4日の未明には北海道の西部で震度1、むつで震度2を観測するなど有感範囲が広がるM7.3の地震が起き、こちらでも津波注意報が出され、実際に海面変動を観測しています。

2004年:三重県南東沖

( 同上 )

新潟県中越地震の前月に起きた「紀伊半島南東沖地震」は、M7.1・M7.4と大地震が1日に2回起きるという南海トラフ側では珍しく目立った活動でした。1回目、2回目とも最も津波の高い値が観測されたのは「神津島」で、津波警報が出された串本・尾鷲よりも高い値が記録されています。

2006~07年:千島列島東方

( 同上 )

やや間隔は空いていますが、2ヶ月をあけて巨大地震が連発し、津波警報が出された事例として「千島列島東方」の地震を取り上げます。1回目は北海道道東で震度2程度でしたが、2回目は東北地方まで震度3を観測する揺れの大きさを感じます。

平成終盤・令和:東日本大震災や鳥島近海など

2009年:石垣島近海

( 同上 )

石垣島近海でM6クラス後半の地震が2連続した2009年8月17日は、2回とも津波注意報が出されるも実測はされず早々に解除されました。

2011年:(3回)三陸沖

各所で触れていますが、2011年3月11日に起きた「東日本大震災」を引き起こした超巨大地震。その2日前から大中規模地震が頻発し、津波予報を含めた津波情報が頻繁に出されました。以下3回が当初本震と思われていたM7.3の地震以降で津波に関する注意報以上が出された事例です。


東北地方太平洋沖地震の前震・本震・余震の記録
出典:日本語版ウィキペディア

2011年2月頃から中規模地震などの前駆活動が見られた三陸沖。3月9日の昼前にM7.3の地震が起きて最大震度5弱を観測すると共に注意報級の津波を観測。そして、その後もM6クラスが不気味なほどに連発。3月10日の午前3時台のM6前半の地震では津波予報が、そして午前6時過ぎのM6.8の地震では震度4を観測するとともに、再度注意報が発表されました。

(出典)気象庁 > 震度データベース検索
・地震の発生日時 : 2011/03/01 00:00 ~ 2011/03/10 23:59
・最大震度 : 震度2以上
・検索結果地震数 : 29 地震 (「地震の発生日時の新しい順」で検索)

スロースリップが発生しているか や 各種地震活動の活発度合いの値を見ても我々一般人にはピンと来ませんが、やはりこうして極めて活発な地震活動が続き、津波注意報・予報が出されるような地震が頻発をしている時は、「単なる余震活動」と安堵せず、遠くの海域で震度が小さくても油断してはならないと再認識させられる事例かと思います。

2023年:鳥島近海

2023年10月上旬に津波予報・注意報が連発したのが「鳥島近海」の地震でした。もともと少しエリアは違いますが中規模地震で津波が発生することが知られる「鳥島近海」でしたが、10月5日はM6.5という大きめの地震が起きて伊豆諸島に注意報が発表。翌日もM6.3の地震が起きて津波予報が出されます。

( 同上 )

さらにそこから3日経った2023年10月9日の朝、突如「津波注意報」が伊豆・小笠原諸島に出されると、地震の詳細も不明なまま午前7~8時台に各地で津波が観測され、注意報の範囲が拡大。前年のトンガの噴火に伴う海面変動と同様、津波の詳細が不明な中、実測値に基づき情報を更新していく難しい対応を迫られる事例となりました。

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