「NHKのど自慢」の2024年(1~12月)の主な記録・データをまとめてみた

のど自慢

【はじめに】
「NHKのど自慢」の主な記録やデータについて、2024年1~12月(暦年)で集計してみましたので、番組を視聴する際の参考としていただければ幸いです。

(↓)昨年との比較もできるように、2023年版のリンクを貼っておきますので合わせてお読み下さい。

ここ数年の「年度別」合格率の傾向

まずは、全体の傾向を把握するために、各種データの基礎部分をみていきましょう。(手元集計につき集計ミスなどがあるかも知れませんが、あらかじめご了承ください。)

【分母】出場組数

まずは分母となる「出場組数」です。コロナ禍前までは毎週必ず20組以上でしたが、コロナ禍に入って5類移行で20組に復帰するまでに2年半近く掛かりました。2024年(暦年)は、43回すべてが20組で開催され、2019年以来5年ぶりに20.00組の大台を復帰しました。

出場回数平均補足
2017920組46回20.00組
2018840組42回20.00組
2019885組44回20.11組気仙沼大会:25組
2020226組12回18.83組コロナ禍で18組制
2021432組24回18.00組
2022739組41回18.02組諫早大会:19組
2023873組45回19.40組初夏から20組復帰
2024860組43回20.00組
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他方、放送回数はやや2023年の45回を下回る43回でした。パリオリンピックの影響などを受けた格好です。出場組数の860組は、19組の回もあった前年を下回っているのも興味深いところです。

◯【鐘3つ】合格者数&合格率は『3分の1』へ上昇

続いて、分子となる合格者数について見ていきます。合格=鐘3つに関しては、夏に恐れられたほどの値とはなっていませんが、それでも近年最高水準となっており、コロナ禍の約3割から更に上昇しました。合格率は目安の『3分の1』も大きく超え、近年最多の34%付近となっています。

2018年には20組中4.5組平均で、合格率22.62%だったことを思うと、僅か6年で1.5倍程度にまで、合格しやすくなっていることは壮絶です。

合格出場合格率増減平均
2017223組920組24.24%20組中4.8組
2018190組840組22.62%▲1.62%20組中4.5組
2019271組885組30.62%+8.00%20組中6.1組
2020 71組226組31.42%+0.80%18組中5.7組
2021128組432組29.63%▲1.79%18組中5.3組
2022238組739組32.21%+2.58%18組中5.8組
2023284組873組32.53%+0.34%20組中6.5組
2024290組860組33.72%+1.3●%20組中6.8組

また合格者数に関してみても、2023年の284組を年内最終回(2024/12/15)を前にして上回っている有り様で、まさにインフレが加速していることが数値からも明らかです。

●【鐘2つ】2024年は3分の2を割り込む

反対に鐘2つは過去最も低い比率となっています。『3分の2』を割り込み、65%台にまで低下をしています。これは、合格率と反対の動きになっていることからも明らかなように、単純に『合格の鐘』が甘くなったと分析するのが正しいでしょう。

鐘2つ出場出現率増減
2017683組920組74.24%
2018640組840組76.19%+1.95%
2019608組885組68.70%▲7.49%
2020155組226組68.58%▲0.12%
2021303組432組70.14%+1.56%
2022494組739組66.85%▲3.29%
2023586組873組67.12%+1.73%
2024568組860組66.05%▲1.07%

コロナ禍前は鐘2つが600組程度でしたが、コロナ明けは600組を割り込んでいるという数値の面でも大きく差が出てしまっている印象です。

▲【鐘1つ】令和に入って1%を切るように

鐘1つについては上の記事でも登場するたびに更新してきましたが、やはり『少ない』というのが全体的な印象でしょう。やはり1桁回数、季節に1度出るかどうかのトレンドは令和に入って完全に定着をしてしまいました。

鐘1つ出場出現率増減
201714組920組1.52%
201810組840組1.19%▲0.33%
2019 6組885組0.68%▲0.51%
2020 0組226組0.00%▲0.68%
2021 1組432組0.23%+0.23%
2022 7組739組0.95%+0.72%
2023 3組873組0.34%▲0.61%
2024 2組860組0.23%▲0.11%

2022年には1%近くまで一旦増加しましたが、2023年からは再び半年に1~2回程度にまで激減し、2024年はついに2組。これは毎週開催するようになって20組制に戻った中では極端に少ない値です。

『ニュー・ノーマル』とも言うべき現代にあって、『鐘1つ』はアブノーマルな対応となってしまったことは、『鐘1つ』の存在を自ら否定するようなものであり、該当するパフォーマンスに対しては臆することなく『鐘1つ』の判定をしてこそ、番組全体にとってもプラスになるのではないかと期待しています。

(秘蔵グラフ1)「NHKのど自慢」年別合格者・合格率まとめ

以上をまとめると、次のグラフのようになります。オレンジ色の「合格率」の線が右肩上がりなことが一目でおわかりいただけるでしょう。

このまま、年度で集計したときにどういった値になってしまうのか、更にインフレが進んでしまうのかを注視していきたいと思います。

その他の諸々の記録

ここから幾つか個別回の分析・記録などを軽くみていきましょう。今年度は過去とは異なり20組に統一されたこともあって名目値で比較できる点で助かっています。

回ごとの合格組数の分布

2024年に入って、昨年度末(24/03/31・宇都宮市大会)に12組合格という前代未聞の大盤振る舞いが披露されました。その後も上半期に2桁合格が連発し、2023年は1度しかなかった9組以上が、2024年は4度出ています。

合格’24年
回数
’23年
回数
備考
12組1回24/03/31・宇都宮市
11組1回24/07/21・松田町
10組1回24/09/22・羽島市
9組1回1回24/09/08・茨木市
8組7回8回
7組8回11回
6組17回13回
5組6回8回
4組1回4回24/05/19・鹿島市
3組

他方、最頻値は前年と変わらず「6組」で、その割合は6組に集中しているような印象を受けます。(2023年は20組未満の回も含んでいますが、)13/45回は約3割ですが、2024年には約4割にまで集中しています。

合格6組だった17回のうち、最後の20番の合格率は「10/17回」で約6割に登っています。これを、ネット上では『調整合格』ではないかと疑っています。いわば『合格は6回程度に収斂させる』ような謎のルールや力が働いているのではないか? と思ってしまうような固まりぶりです。

個人的には、合格者数をあらかじめ決めることは適切でなく、実際の出場者のメンバーの歌唱力を基本として、回によっては「4組」でも「8組」でも、その力量に沿った数に合格者数は流動的である方が自然だと考えています。皆さんはいかがですか?

(秘蔵グラフ2)出場番号別・合格者数

そして再び「秘蔵グラフ」のコーナーです。青色系が2024年、緑色系が2023年で、出場番号での合格組数のグラフを作成してみましたので、まずは御覧ください。

2023年はかなり「5区間移動平均」がバランスよく真っ平らでしたが、2024年は少し「M」のような形になってしまいました。すなわち、序盤と中盤に合格率が極端に低い組があり、反対に“波”ができてしまっている印象です。

わかりやすくするために2024年の値だけにしてみると、1組目や11組目はかなり凹んでいて、序盤は5組目にかけて右肩上がり、そして前述の『調整合格』が窺えるのかはわかりませんが、19・20組目がかなり合格率が高いことが窺えます。

本来、完全にくじ引きであるなどフェアな出場番号の選出ならば良いのですが、そうでないなかで全ての組が均衡でないばかりか、かなり●組目で合格率に『偏り』があるとなると、そこで影響されてしまうのは、やはり“フェアじゃない”と感じてしまいます。


さらに組数別で合格者数と「チャンピオン選出」の値を比較してみると、傾向は更に顕著となります。

赤色がチャンピオンなのですが、実は、1~3組目と11・15組目からは一度もチャンピオンが出ていません。反対に、4組目や10・12組目などは5回以上チャンピオンが出ていて、こちらの偏りは如実・顕著なものとなっています。

NHKが無自覚であれ自覚的であれ、『何番手で出場するか』によって、合格やチャンピオンになりやすさがここまで左右されるということは、健全ではないと思うので、2025年以降はこの偏りが均されていくことを願ってやみません。

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