日本各地の“半島”で起きた大きめな地震をまとめてみた(2023年版)

【はじめに】
この記事では、日本各地の半島(の近く)で起きた地震について纏めていきます。ただ、半島の範囲や地震について広げると収拾がつかなくなりそうなので、気象庁震度データベースの画像引用を行って、以下の条件に基づく地震を中心に纏めていきたく思います。

  • 地震の発生日時 : 1919/01/01 00:00 ~ 2023/05/07 23:59
  • 震源の深さ : 0km 以上、50km 以下
  • マグニチュード:Mj6.0 以上
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北海道・東北地方

日勝半島(北海道)

  • 日高と十勝から命名されたという「日勝半島」は、右に十勝沖、東に浦河沖。多くの大地震が発生してきました。なお、北西にあるのは、2018年の「北海道胆振東部地震」です。
  • 半島の内陸に2つある○のうち、大きく南にあるのが1931年2月17日の日高地方東部の地震です。44km、M6.8という内陸の浅めの地震としては相当大規模ですが、気象官署での観測では「浦河:震度4」が最大でした。今なら震度6以上でしょう。
  • 北にある○は、2012年8月25日に起きたM6.1の地震で、日高山脈を挟んだ東西の複数の地点で震度5弱を観測しました。
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男鹿半島(秋田県)

  • 東北地方では太平洋側のうち「牡鹿半島」の沖で2011年の超巨大地震など大地震が度々発生してきましたが、半島という視点でいくと、1939年の「男鹿地震でしょう。
  • いわゆる双子地震で、5月1日の14時58分にMj 6.8・最大震度5の地震(第一震)が、1分44秒後の15時00分頃にMj 6.7・最大震度5の地震(第二震)が連続して発生した。また、約10時間後の5月2日01時05分にもMj 6.5・最大震度4という大きな余震が発生している。

関東地方

房総半島(千葉県)

  • 3つのプレートの交点に最も近い陸地の「房総半島」は、房総丘陵から野島崎の南にかけての2つの○と、銚子市・犬吠埼付近の○が集中している2領域に分布してみえます。
    しかし、M5クラスまで広げると、九十九里周辺での「スロースリップ」が頻度としては高いことも知られています。
  • 画面に記した○のうち、銚子付近の数個と房総半島の南側の2つは、関東大震災(1923年)直後に観測されたものが中心です。
  • そして、東日本大震災の直後にもM6クラスの地震が銚子付近で発生しており、超巨大地震の余震域の広さを痛感します。
  • このほか、1987年に起きた「千葉県東方沖地震」は、深さ58kmのため本表には登場していませんが、M6.7・千葉県内の4地点中3地点で震度5(強震)を観測しています。
  • そしてこの記事を書いた翌日(2023年5月11日)の明け方に、千葉県南部を震央とするM5.2の地震が起き、震央からやや離れた木更津市で震度5強を観測しました。千葉県ではスロースリップを含め、震度4~5弱の地震が数年置きに起きますが、5強に達する内陸地震は稀でした。

三浦半島(神奈川県)

  • 房総半島と東京湾を挟んでの反対側となるのが、神奈川県の三浦半島。
    神奈川県東部の大きな○が「関東大震災」で、三浦半島の付け根にある陸地の○は関東大震災の年の11月に起きたM6.3の地震です。
  • そして、この図には再びプロットされていなくて恐縮なのですが、1922年には「神奈川県東部地震」こと「浦賀水道地震」が起きています。88kmと深めだったもののM6.8という大きめな規模だったことから、被害も記録されています。
  • 大正関東地震(関東大震災)だけでなく、元禄関東地震でも震源域に含まれた三浦半島は、揺れも津波も他人事ではないと再認識する必要がありそうです。
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中部地方

伊豆半島(静岡県)

  • この図には載らないような中規模以下の群発地震が数限りなく起きてきた伊豆半島は、実は関東大震災から1日の間にM6クラス後半の地震が2度(上から1つ目と3つ目の○)観測されている領域でもあります。
  • ちょうど付け根(上から2つ目の○)にある1930年の「北伊豆地震」は、三島で震度6の烈震を観測し、多くの人的・物的被害を観測していました。
  • そして、1974年には「伊豆半島沖地震」が起き、M6.9(石廊崎で震度5)を観測しています。

能登半島(石川県)

  • 平成に入って、1993年(一番上の○)の「能登半島沖」の地震(M6.6・震度5)が起き、小津波を含め能登半島の東側で被害が出ました。
  • そこから14年経った2007年3月25日、今度は西側の○にあたる「能登半島地震」が起きます。M6.9という殆ど大地震という規模となり、4地点で震度6強の烈しい揺れを観測。非常に多くの家屋被害がもたらされました。
  • 時代が令和に入ると、珠洲市周辺で群発地震が発生するようになり、2022年にはM5クラスで最大震度6弱を観測、そして2023年5月にはM6.5で最大震度6強という顕著な地震活動が認められ、珠洲市正院町などを中心に被害が出ています(能登群発地震)。

近畿地方

丹後半島(京都府)

  • 京都府北部にある「丹後半島」から兵庫県北部にかけては、今から100年ほど前(1925~1927年)に立て続けに2回、震度6を観測し、全壊率100%近くなる地震が起きています。
  • 1回目は1925年の「北但馬地震」(M6.8:府県境の西側)、2回目は1927年の「北丹後地震」(Mj7.3・同東側)です。そして、丹後地震の付け根にある○は北丹後地震の本震の3週間半後に起き、M6.4・4kmという最大余震でした。

紀伊半島(和歌山・奈良・三重県)

  • 紀伊半島の領域をどこまでとするかは意見が分かれるところでしょうが、ひとまず、昭和東南海・南海地震の領域の北側に位置することは間違いないでしょう。
  • 北緯34度より南にある「○」の多くは今から半世紀以上前です。
  • 目を転じて、奈良県と大阪府の境にあるオレンジ色の○は1936年の「河内大和地震」(M6.4・震度5)です。また、深さ61kmということで表には登場しませんが、1952年の「吉野地震」はM6.7・震度4~5でした。

中国・四国・九州地方

糸島半島(福岡県)

  • 有史以前から歴史を有する糸島半島。2005年に起きた「福岡県西方沖地震」では、糸島市で震度6弱を観測しました。
  • むしろ震源域は志賀島(陸繋島)の方に向かっているのですが、破壊されていない領域もある警固断層に隣接する本地震の震源域は、糸島半島からみてもそれなりに近いため、今回軽く紹介しました。

島原半島(長崎県)

  • 橘湾(当時は千々松湾)で1922年12月8日に起きた「島原地震」では、午前1時50分にM6.9の地震があり、午前11時2分にM6.5の地震が起きています。
  • 地震によって被害を受けた家屋の数は2,000を超え(ある資料によると600〜700棟程度が倒壊したとされる)、そのほか地割れや墳砂、山崩れ道路橋梁の破損などが起こった。また、熊本県では天草八代などで石碑に被害が出るなどした。
    この地震による死者は26人となり、さらに40人近くが負傷したとされる。

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