【はじめに】
この記事では、「プレバト!!」の水彩画査定で頭角を現していた【こがけん(おいでやすこが)】さんの俳句査定での作品を振り返っていきます。
こがけん(本名:古賀 憲太郎(こが けんたろう)、1979年〈昭和54年〉2月14日 – )は、日本のお笑い芸人。吉本興業所属。お笑いユニットおいでやすこがのボケ担当。相方はおいでやす小田。
こがけん
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
一般参加者時代(2021~2023年)
福岡県久留米市出身。福岡教育大学附属久留米中学校から福岡県立明善高等学校を経て、慶應義塾大学商学部を卒業後、2001年春に大学の同級生であるかんし(野寛志、現在はピン芸人「ピストジャム」として活動)とともに東京NSCに7期生として入学。
NSC在籍時より、かんしと「マスターピース」というコンビ名で活動。2002年春にNSCを卒業するも、同年8月にマスターピースを解散。芸人を休業して板前修業に入る。2008年5月1日、「ワンドロップ」として、かんしとのコンビを再結成し、芸人に復帰する。きっかけは共通の友人の結婚式の司会をしたことだった。なお、復帰にあたっては芸歴はリセットされておらず、吉本の公式プロフィールでは東京NSC7期生扱いとなっている。
その後、ワンドロップはコンビ仲が険悪となり、2012年6月末に解散。ピン芸人に転じ、コンビ末期から始めた歌ネタや映画ネタをメインに活動する。
2019年、R-1ぐらんぷりの決勝に初進出。同年、おいでやす小田とピン芸人同士のユニット「おいでやすこが」を結成してM-1グランプリに挑戦し、3回戦進出を果たす。
( 同上 )
2021年:コートを脱ぐ句で初挑戦1位
【こがけん】さんが初出演したのは、M-1で準優勝を果たしてから約2年後となる2021年12月のこと。番組的には「芸人」×「高学歴」という点で扱いやすかった部分もあるのだと思います。“じゃない”方と言われないほどの活躍を番組で見せるようになります。まさに“頭角を現す”といった形です。
1位72点『朝ロケの信号待ちに脱ぐコート』
「プレバト!!」では時々見かける、芸能人ならでは上五という感じが致します。『朝ロケ』という単語を知っては居ても実体験としては持っていません。そうした意味で、『朝ロケの』から始まるだけで、何か芸能関係の方だろうなと想像させる“掴み”はバッチリだったといえます。
その後が少し個人的には描写が平板な感じも受けたのですが、『コート』という冬の季語を脱ぐという動作への流れが非常にスムーズで具体的なのに、どういった業種(アイドルなのかドラマ撮影の俳優なのか、はたまた芸人なのか)が明かされない点に想像も余地もあるという高度な技にも思えました。
結果的には、芸人さんが薄着で、撮影直前まで寒い冬の空気に触れずに済むように縮こまっている感じでしたが、詠み方によっては、『朝(早朝かも)を撮影する映画のワンシーンを、主人公の役者さんが何らかのタイミングを待っている』シーンかも知れません。この句の奥行きは魅力がありますよね。
2022年:「うどん繰る子」の句で連続才能アリ
それから約1年後の2022年10月、2回目の挑戦を迎えます。「プレバト!!」的には、ユニット『おいでやすこが』のメンバーというより【こがけん】さん単体での出演となってきます。
???「なんでやー!!」
その2回目の登場時も、連続での才能アリとなりました。披露した俳句がこちらでした(↓)。
2位70点『行く秋やうどん繰る子の箸高く』 ↓ 添削後)『箸高くうどん繰る子や秋は行く』
この時の1位が、二階堂高嗣さんであり、年間優秀句として翌年初の冬麗戦にも選ばれる『夕月夜一人暮らしの光熱費』だったことを思うと、70点2位という結果は不運でしたが、句の出来としては非常にレベルが高かったと思います。
ちなみにこの回の平場参加者4名のうち3名が翌年2月に相まみえる(共演する)こととなりました。
2023年:3回連続「才能アリ」……そして、
2回目の才能アリから半年足らずの2023年2月、3回連続才能アリと特待生昇格を目指しての出演となります。
前回一つ下の順位(凡人3位)に居た【森迫永依】さんは一足先に特例で特待生昇格を果たしていましたが、もう一つ下(才能ナシ4位)に居た【勝村政信】さん、そして同じく2回連続才能アリな【本上まなみ】さんなどと共に「特待生」昇格を目指してこちらの句を披露します。(↓)
2位71点『鍵失せてファミレスにいる春の月』
森口名人も同じ経験があると語るように、まさに『あるある俳句』の秀作。そして、森迫さんも褒めたように、『ファミレス』という場所によって「夜遅く」まで時間を潰さざるを得ない状況となってしまったことが窺えます。
そして、夏井先生が褒めたのは、中七の『いる』という動詞です。本来であれば『見る/見える』とか『聞こえる』といった動詞は俳句という短い器においては不要なことが多いのですが、この作品の場合は、『~~て~~にいる』という叙述で時間経過を印象付ける点で必要だという判断を下したのです。
(これは、2018年に勝村さんが才能アリを獲得した『校長の眼鏡にうつる春の風』の句と同じです)
これが本当に理解して入れたのかを疑っている様子の夏井先生でしたが、3回連続の才能アリということもあって……
To Be Continued…
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