【はじめに】
この記事では、「津田寛治(つだ・かんじ)」さんの過去の作品を振り返っていきます。
才能アリ1回目(2018年)初挑戦で1位
津田さんが「プレバト!!」の俳句査定に初出演したのは2018年12月、年末の時期でした。2位以下が凡人という冴えない展開のなか、『やっと俳句らしい』作品が出てきたと夏井先生が称える出来でした。
2018/12/13・才能アリ1位70点
『師走の夜ゆ屋の湯気見え途中下車』
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『湯屋の湯気見えて師走の夜を下車』
東国原名人の仰るとおり、俳句では嫌われることの多い『見る』という動詞の評価が最大のポイントだったかと思いますが、この句は情報の多いものをうまく17音に纏められたかと思います。(添削で全体が整えられ、更に良くなりました。)
才能アリ2回目(2020年):受験子とヘアサロンの1句
2回目の挑戦は2020年2月、コロナ禍直前で立春を迎えた直後というタイミングでした。同じく役者の勝村さんが『春の日の大人の入り口蒸しタオル』と詠んで1位を獲得しますが、それに次ぐ2位も床屋の印象が強い男性俳優の津田さんでしたが、舞台はヘアサロンとしての1句。
2020/02/06・才能アリ2位
『受験子に順番譲るヘアサロン』
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『受験子に譲る順番ヘアサロン』
「受験子」が春の季語で、中3の受験生だった頃に友人が大人に順番を『譲ってもらった』ことがあるという、実体験のエピソードがベースにあり、それを大人になった自分が立場を入れ替えた詠んだという技巧に富んだ作り方の作品でした。
2回連続才能アリで「特待生」候補となった反面、恐れを知らぬビッグマウスを演じる津田さんでしたが、3回目は『鰤』好きの思いがうまく伝わらない作品(『日替わりのボタンに踊る鰤の影』→『日替わりのボタン煌々鰤定食』)で初の才能ナシ(38点)。せっかくの良い流れが止まってしまいました。
才能アリ3回目(2023年):『バクダン』で初の添削ナシ
2022年は『特捜』シリーズなどで忙しかったためか出演がなく、才能ナシから2年ぶりの出演となった4回目。初の『添削ナシ』の高評価となった作品がこちらでした(↓)。
2023/01/19・才能アリ1位70点
『バクダンと叫ぶ屋台の年男』
カタカナでバクダンと表記したのも、屋台のメニュー感を演出したかったのかも知れません。「叫ぶ」とあると戦場か何か殺伐とした状況を前半だけでは思い浮かべてしまいますが、後半で『屋台』という舞台設定が出ることによって一気に日本の屋外が想像されます。そして、最後に登場する季語が新年に分類される『年男』というところにもギャップがあります。
過去3句いずれもですが、自分の経験をもとに、情報量がややもすると多く感じてしまう中で何とか17音の器にピッタリと収めている印象です。
ただ、3回目の才能アリであるにもかかわらず、「特待生」という声はかかりませんでした。
To Be Continued…
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