NHKのど自慢での「令和時代のアーティスト」についてまとめてみた(紅白初出場歌手ぞくぞく!)

Rxヒット指標 ~令和~

【はじめに】
この記事では、NHKのど自慢で歌われた「令和世代のアーティスト」を見ていきたいと思います。対象としているのは“平成の終わりから令和の始め頃にデビュー”したアーティストなのですが、僅か数年で合格率に差が出てきているんで、そのあたりを中心にお話ししていきたいなと考えています。

「NHKのど自慢」への出場・応募を考えている若い世代の方には、過去の結果から歌唱曲を選んで欲しくはないのですが、何曲か候補がある中での参考材料の一つぐらいにして頂ければ幸いです。さっそく具体的にみていきましょう!

《 凡例 》
アーティスト名(デビュー・結成年)
歌唱された放送日(yymmdd) 結果 曲名

《 結果 》
▲(鐘1つ)、●(鐘2つ)、○(合格)、◎(チャンピオン)、C(チャンピオン大会)

(▲)令和に“要注意”なアーティスト

NHKのど自慢では頻度高く歌われているアーティストというのが何名かいらっしゃいます。昭和世代であればザ・ピーナッツや北島三郎さん、平成世代であればKiroroや絢香さんなどでしょうか。そして、個別の楽曲人気も相俟って、以下のようなアーティストはここ数年でデビューし、初歌唱は2021年にもかかわらず、気づけば「定番アーティスト」になりつつあります。

NiziU(令和2年)
210307 ● Make you happy
210328 ● Make you happy
210711 ● Make you happy
211024 ● Make you happy
230212 ● Make you happy

「何人かで歌って踊る枠」はその時代・世代によって歌われる曲が異なりますが、令和の最初期に注目を集めたのは間違いなくNiziUの「Make you happy」だったと思います。2021年に立て続けに歌われました。但し、なかなか「NiziU」で合格を獲得するというのは容易ではないようで連敗が続いてます。

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対して、長屋晴子さんの歌唱のカッコ良さが若い女性を中心に良く歌われている「リョクシャカ」こと「緑黄色社会」も、2021年年末の初歌唱から2022年にかけて集中的に歌われました。いわずとしれた「Mela!」はバンドの名を広く知らしめた代表曲にして、サブスク時代を象徴するヒット曲でしょう。

緑黄色社会(平成30年)
211212 ● Mela!
220327 ● Mela!
220403 ● Mela!
220508 ○ Mela!
220710 ● 陽はまた昇るから
220724 ● Mela!
220911 ● Mela!
230205 ● Mela!
230305 ● Mela!
230326 ● Landscape
230507 ◎ にちようび
230820 ● Mela!
230917 ● Mela!
231015 ○ これからのこと、それからのこと
231119 ○ Mela!

ただ、初登場から連敗が続いていることからも分かるとおり、案外苦戦しています。イメージとしては「Make you happy/NiziU」に比べて合格のチャンスはありそうに思うのですが、必ずしもそうではないという点は注意が必要かも知れません。個人的には好きなので積極的に歌って欲しいのですが(^^;

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そしてNHK的には東京五輪なども含めて縁の強い【milet(ミレイ)】さんは、2022年4月に2週連続で本戦出場となるなど、ギリギリ平成デビューのアーティストですが、令和に要注目となるでしょう。

milet(平成31年)
220410 ● Fly High
220417 ● inside you
230402 ● おもかげ(produced by Vaundy)
230409 ● Fly High
230917 ● 絆ノ奇跡

「NHKのど自慢」は別に『モノマネ大会』という訳ではないので、原曲を真似て歌う必要はありません。仮に原曲と程遠くても歌唱力で押せるケースもあります。
その一方で、【milet】さんの楽曲はやはり、オリジナルシンガーの独特の歌いまわしや癖があってこその側面が否めない部分もあるかと思うので、英語詞が多いという点だったり雰囲気が映えるという理由だけで選ぶのは楽な道ではないと言えるでしょう。

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この他にも、合格に苦戦しているいくつかのアーティストを紹介しておきますね。

きゃない(2019/20年)
231029 ● バニラ

新しい学校のリーダーズ(2017年)
240218 ● オトナブルー

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(?)令和に“要注目”のアーティスト

ストリーミングなどで聴く楽曲とカラオケで歌える楽曲を区別する人も少なくない21世紀においては、第一人者である【YOASOBI】は、上のアーティストに比べるとまだ歌唱回数自体が少ないです。

YOASOBI(令和元年)
201108 ● 夜に駆ける
220703 ● 群青
220828 ○ ツバメ(with ミドリーズ)
230219 ●  〃
230924 ○ アイドル

「のど自慢」に【YOASOBI】を歌おう・選ぼうという方が少ないのか、予選を通りづらいのかは分かりませんが、歌い上げて合格を獲得するのが決して簡単ではない(一般論として)ことは想像に難くないです。今後、世代が若返っていく中で歌われ続けるYOASOBIでしょうから、どういった推移を辿るのか注目していきたいと思います。『アイドル』が連発で歌われる時代が迫っているのでしょうか?

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他にも、例えば「歌詞に魅了され、病気のご家族を励ますために出演された昭和生まれの女性の方」が果敢に挑戦した「King Gnu」の『白日』などの歌唱もありました(↓)。若い世代に限らず幅広い層に歌われる機会が今後増えていくことが予想されます。

King Gnu
220904 ● 白日
230924 ○ カメレオン

このように上でみてきたアーティストは、直感的には「合格の可能性も十分ありそうで、ひょっとすると禁止歌手にもなりそう」なのですが、初動・初速は連敗となっています。だからこそ今後に要注目のアーティストといえると思うのです。

(◎)令和の“禁止”アーティスト(候補)

ここから、私のいういわゆる「禁止曲」のパートに入っていきます。この単語の詳細については、下記の記事もあわせてお読み下さい。

結成時、そしてその前の活動も含めると平成デビュー組なのですが、『夜好性』などとして注目を集めたのが令和だったことを踏まえ、今回最初にご紹介したいのが【ヨルシカ】です。

ヨルシカ(平成29年結成、平成31年)
200223 ◎ だから僕は音楽を辞めた
211003 ● ただ君に晴れ
220504 C だから僕は音楽を辞めた
230813 ○ ただ君に晴れ

下の記事でもご紹介させていただいた通り、初めてこの曲を歌いチャンピオンとなった方は、2年後に開催された「チャンピオン大会」に出場したほか、上京して声優になるという夢を叶えるため、自らの夢に邁進されています。

その一方で、初歌唱でチャンピオン大会まで行く事例があったように、『夜好性』の耳障りの良さが、この「のど自慢」では時として凶器(?)となる可能性もあることは抑えておく必要があるでしょう。

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ここからは男性ソロアーティストが続きます。アイドル的なグループアーティストがCD売上チャートを席巻した平成の後半から一転して、令和の時代はこうした男性ソロアーティストの奮起が続いてます。

藤井風(令和元年度)
220313 ◎ 青春病
220710 ○ 優しさ
230813 ● 帰ろう
230827 ● 旅路

2021年のNHK紅白歌合戦でも注目された【藤井風】さん。ストリーミング再生数が伸びた『きらり』が最も有名かとは思いますが、そうしたタイアップがつく前の(ファンに愛されてきた)楽曲がのど自慢ではメインになってきています。

ひょっとすると『きらり』で合格するのは難しいかも知れませんが、初回で歌われチャンピオンとなった「『青春病』は良い選曲だな!」と思いましたし、バラードに近い楽曲は“雰囲気曲”としても定評があるかと思います。そうしたところを突けるのは素晴らしいと思いましたね。

同じく2021年に注目を集め、Billboard Japan Hot 100年間1位にも輝いた「ドライフラワー」を歌う【優里】さんも、初登場から3回で2度の合格、平均値を上回る状態が続いています。

男性曲ではあるものの、女性からも支持が厚いことや学生やカップル間での人気が高いことなどから、今後も支持され続けていくことが予想されます。「ドライフラワー」以外の曲もチャート上位なことも注目点です。但し尺の関係で「ドライフラワー」などはメロ部分に盛り上がりに欠ける弱点があるのでそこはしっかりと意識しておく必要があるかと思います。

似たような形で注目なのが【川崎鷹也】さんでしょう。発表は平成年間ですが、令和2~3年にTikTokなどから話題になっていった『魔法の絨毯』で出世をし、こちらも多くの男性に歌われています。ひょっとすると男子学生の歌唱する割合が相当高いかも知れません。

また、川崎鷹也さんでは『魔法の絨毯』と同じく1stアルバムに収録されている『君の為のキミノウタ』も高い合格率を誇っています。川崎さんとして見ると3連続合格を含め、初歌唱からの5回での合格率は8割に至っているのは極めて高い確率といえるでしょう。

そして、2022年下半期に歌われ、2回とも「チャンピオン」になるという離れ業を成し遂げたのが、【Vaundy】さんの楽曲です。2000年生まれで新時代を予感させる彼の曲は、特に男子学生からの支持が厚く、雰囲気でチャンピオンに結びつく事例が続きました。

その他、ここ最近に歌われたアーティストについては以下のとおりです。「すとぷり」から『敗北ヒーロー』が歌われたり、2000年代生まれのアーティストが歌唱されるなど、時代のスピード感は更に加速度を増している印象を受けます。

ころん(令和元年)
220710 ○ 敗北ヒーロー

ただし、こうした曲で挑戦する人、そして合格を勝ち取る人というのは、今でこそ新鮮に見られるかも知れませんが、時代が経つにつれ当たり前になっていき、大した話題にもならなくなってしまいます。

個人的には「これらの楽曲で合格を狙う」というのが第一義になってしまうと寂しいので、未来ある皆さんにはチャレンジング・スピリット溢れる歌唱で、我々視聴者の心を掴んでいただくことを期待しております!

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