【プレバト!! 俳人列伝】内藤剛志(ないとう・たかし)

【はじめに】
この記事では、振り幅の大きな俳句を2句詠んで特待生に昇格した「内藤剛志(ないとう・たかし)」さんの過去の作品を振り返っていきます。

2024年:わずか2回で特待生昇格

1回目:2024/02/15 日本中で俺しか詠めない俳句

かつて、『人気者でいこう!』などでも共演していた浜田雅功さんが司会を務める「プレバト!!」ですが、内藤剛志さんが俳句査定に初挑戦したのは2024年2月と案外遅いことでした。

番組では「俳優歴の長さ」であったり、「27クール連続のドラマ出演」であったりと、『箔』をつけるための紹介をされた内藤剛志さんですが、メインに取り上げられたのは、『偏差値76の高校(大阪星光学院高等学校)を卒業していた』というものです。

共演歴もある浜田さんだからこそという面もあるのでしょうが、番組的にはどっちに転んでも面白かったのだと思います。 ※調べてみると芸能面で活躍される方も多くいらっしゃる高校でした。

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初挑戦となった2024年2月15日放送回は『人気俳優』が集結(最下位はトレンディエンジェルの斎藤さんだぞ!)し、5人中3人が才能アリという構成でした。

2・3位が役者ならではの俳句で才能アリ70点同点となる中、1位はそれを上回る71点。そして何より数多いる役者の中でも『内藤剛志さんでしか詠めない』を披露し、名人たちを唸らせました。その句が

  • (2024/02/15)1位71点
    『本職に黙礼される今年も春』/内藤剛志

というもの。御本人曰く(他局なので作品名はボカシていたが)『科捜研の女』で四半世紀にわたって刑事役を務めてきた経歴もあることから、内藤さんを見かけた本職の警官さんたちから黙礼されることがあるという経験を詠んだそう。

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夏井先生は、最初、『引退した刑事』を想像したそうですが、いずれにしても本職でない人間が演じた経験をもって、本職と見紛うほどのリアリティーを出している点が高く評価されて、71点での1位デビューとなりました。

なお、添削では、『さるる』と文語調に文法を直し、下五の字余りを解消するやり方として、

  • (添削後)『本職に黙礼さる春やまた

というものが示されていました。特待生を狙う人間に対するハイレベルな添削であり、遅れてきた期待の新人といった印象を強く植え付けました。

2回目:2024/05/09 振り幅の大きな俳句で

前回出演からわずか3ヶ月程度(前回は初春で、今回は初夏)での再登場となった内藤さん。前回は『俳優』対決でしたが、今回は『高学歴』対決といった構図となりました。

3位以下には有名大学・院生が並ぶ(4位には特待生候補として注目されていたJO1の河野純喜さん、ゆりやんレトリィバァさんが5点で最下位に沈む)中、山本里菜アナウンサーには敗れたものの、内藤さんは2回連続才能アリを記録します。その作品がこちら(↓)

  • (2024/05/09)2位70点
    『虹の下クレヨンの箱踊り出す』/内藤剛志

季語は夏の季節に分類される『虹』。そして、『踊り出す』という擬人化は初心者が使いがちですが、実は非常に難しく名人・特待生でも厳しい評価を受けてきた凡人ワード。しかし夏井先生はこの作品を高く評価したのです。

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確かに句を詠んでみると、『虹』も『クレヨンの箱』も多彩な色が想像でき、『クレヨンの箱』を持つ子どもたちの躍動感や喜びが『箱(が)踊り出す(ようだ)』という比喩が堂々と受け止めています。

そして、2回目の出場(しかも71点と過去に比べてそこまで高得点デビューという訳でもない)ということであまり期待値は高くなかったものの、夏井先生は『こんなに可愛い句も作れるんですね!』と、予想外の展開に関心。いわゆる『振り幅の大きさ』を(図らずも)見せつける格好となり、浜田さんからのお伺いもないのに、夏井先生が『特待生』昇格を認める結果となったのです。

To Be Continued…

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