Rxヒットアーティスト列伝 ~HY~

【はじめに】
この記事では、私の「Rxヒット指標」に基づき歌手/アーティストのヒット曲を振り返っていきます。今回取り上げるのは、結成20年を過ぎ、沖縄から全国に多くのファンを持つバンド「HY」です。

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【表】Rxヒット指標からみる「HY」のヒット曲

まずは、敢えて通常どおり、他のアーティストと全く同じ目線で「Rxヒット指標」を導出してみます。

「AM11:00」のCD売上欄は、AL『Street Story』がミリオンを達成していることによる特別加点。再生回数・カバー再生回数はいずれも平成のアーティスト扱いで「÷100」。『366日』のデジタル配信については、『450万DL』とする一部報道を鵜呑みにするも、フル配信と非区分なため下限となる「÷5」して計上。

普通に導出しようとしても、注釈がかなり長くなるほどに複雑なのが「HY」のヒット指標です。これが「表」の値だというのですから、非常に難解です。今回も普段どおり、細かい数字ではなく、ざっくりとした傾向を掴んでいただくものとしてご覧いただきたいと思います。

世間的な代表曲としては、もはや『366日』以外にないでしょう。上記275万ptというのは、推定での上限値にあたります。

清水翔太・上白石萌歌のカバーバージョンや、YouTube動画もかなり手広く計上してこの値です。しかし、平成の後半からサブスクの令和に至るまで口コミなどでロングヒットを遂げた同曲の数値としては決して「過剰評価」とも言い切れないポテンシャルがあると思います。

その他では、ブレイクのキッカケとなった1曲『AM11:00』が2位となり、3位には『NAO』が入っています。いずれもデータはかなり欠落しており、知名度は並の数十万ptの曲を上回っているかとは思いますが、ひとまず「表」指標として軽く流します。

※個人的に思い入れの深い“初期4作の1曲目”

HYは、2001年から2013年まで「テレビ朝日ミュージック」に所属し、全国ツアーなどを精力的に行ってきました。(それが当人たちに与えたマイナスの面は、各種記事をお読みください。)

私がHYを知ったのは、テレビ朝日系列の深夜の音楽番組『THE STREET FIGHTERS(ストファイ)』でした。インターネットなどを使った同番組の人気アーティストランキングでは、サスケなどを抑えて常に上位(多くで1位)を取り続ける存在となっていきました。

HYを強く意識したのは、2003年4月に発売された2ndアルバム『Street Story』のあたりで、オリコン週間1位を獲得したというニュースを『めざましテレビ』か何かで目にして驚いたのを覚えています。

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どうしても、個人的には「初期4作のアルバムの1曲目」というのが、アルバムを聴き始めるという期待感にピッタリだったこともあって、強く印象に残っています。具体的に列挙すれば、

  1. ホワイトビーチ』(2001年・Departure)
  2. AM11:00』  (2003年・Street Story)
  3. てがみ』    (2004年・TRUNK)
  4. モノクロ』   (2006年・Confidence)

となります。特に下2曲(更に特に『モノクロ』)なんかは好きな曲なんですが、昨今、メディアではめっきり触れられる機会が減ってしまって寂しい限りです。なんとか『AM11:00』はカバー曲だったりで時折注目されますが、平成中期から令和まで長く活動しているHYの楽曲を楽しんでいきたいです。

【裏】Rxヒット指標からみる「HY」のヒット曲

バンド「HY」について、“「楽曲人気がわかる国内音楽チャート」を追うことを趣味とするチャート好き”を自称する「あさ (id:musicnever_die)」さんが、こんな興味深い記事を挙げていました。

「Billion Hits!」の「あさ」さんの面白い記事です、ぜひご覧ください。

要点を纏めると(ジャニーズやミスチルは分かりやすいですが)『日本レコード協会(RIAJ)』の認定する「配信ダウンロード売上」の数字には十分反映されていない部分があり、“人気の捕捉が難しい楽曲やアーティスト”が存在するというのが重要な視点です。

「HY」は、全国区になってもインディーズでの活動を続け、シングルをほぼ発売せずアルバムリリースを軸としてきました。独立系レーベルであるがために、“『日本レコード協会(RIAJ)』のダウンロード売上認定の対象外となっている”ほか、一般にヒット曲の重要指標とされる「シングル売上」のデータもありません。

加えて、YouTubeなどの再生回数も公式PV動画が10年近く非公開であったり、複数のチャンネルで公式な動画がアップされたことで回数が分散されてしまい、全容を掴むことが困難なのです。要するに、

  • 「シングル」を発売していないから「シングルCD売上」を指標とできない
  • 「ダウンロード売上」は、RIAJの認定からは推定することができない
  • 「動画再生回数」も、全容を把握するのが困難

という三重苦状態となってしまっているのです。

可能な限り、基準を揃えて比較しようとしてみる

そこで、私の手法の一つ、【旧震度】でも使った考え方を転用してみようと思います。

統一の基準で比較できそうな「指標」から推測するしかない!

            ≒

データが無いもの(動画非公開時期に機会損失となった再生回数など)は永久に手に入らない!

こういったテンション感です。「観測網が粗かった過去の地震の震度を現代の指標で復元させる」よりも、「観測網が密な現代の地震の震度を、昔の粗い観測網にまで情報を“敢えて”減らす事で比較を容易にする」という考え方です。(言葉で書くと難しいですね^^;)

まあとりあえず思いついたものは試しということで、可能な範囲でかき集めてみました。こちらです。

曲名①TV②HY③非PV④歌手⑤検索
ホワイトビーチ100977416
AM11:001,0485361,634121
あなた50472
てがみ12715541
Song for…201388104
モノクロ6216343
NAO5301,215152
366日1,5623,6591,13717387
時をこえ843112
いちばん近くに16061
あなたを想う風21930
色は各指標の1位2位3位。  単位:④は「組数」、①~③・⑤は「万回」
  1. 「TV ASAHI MUSIC」の Official Music Video
    (公開は10年以上前だが、非公開期間が長く、再生回数には注意が必要)
  2. 「HY Official」の(Live 含む)Music Video
  3. 「HY Official」の非PVな音源動画(トピックスみたく自動で生成されるもの)
  4. Uta-Net」での登録アーティスト数(HY本人を除く)
  5. Uta-Net」での歌詞の検索回数

結果とすると、上位を独占する楽曲はやはり『366日』、『AM11:00』、『NAO』の3曲であり、1位は『366日』が占めています。カバーアーティスト数だけでなく、YouTubeでのカバー動画の再生回数でも『366日』が群を抜いています。

その一方で、「HY Official」の非PVな音源(2018年公開)が、PVの再生回数を上回るという逆転現象も見過ごせません。(↓)

むしろ、YouTubeで「一見さん」的に視聴する方は目立つ「MV」動画を選ぶでしょうが、例えば、YouTube Music などで「BGM」代わりに聴くファン層からは、『366日』1強ではなく、その他の楽曲にも根強い人気があるのではないかと感じる結果となりました。

『366日』よりも『AM11:00』と『NAO』の再生回数は上回っており、なおかつ、TV ASAHI MUSICのPV(映像あり)をも上回っているというのは、【真の真の】人気曲を知る意味で興味深い指標ではないかと今回感じました。ご参考になれば幸いです。

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