【はじめに】
皆さん「ウィキペディア小旅行」へようこそ、ツアーコンダクターのRxです。今回は「岡山県」を巡っていきます。素敵な旅をお過ごし下さい。
岡山県(おかやまけん)は、日本の中国地方に位置する県。県庁所在地は岡山市。
岡山県
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』( 以下省略 )
概要
県庁所在地の岡山市は2009年(平成21年)4月1日、全国で18番目の政令指定都市に移行した。山陽本線、山陽新幹線、中国自動車道、1997年(平成9年)全線開通した山陽自動車道をはじめとして西日本の交通の大動脈が県を横断している。本州と四国を結ぶ瀬戸大橋も1988年(昭和63年)に開通した。
古代、沿岸域から内陸地域にかけては「吉備国」として、現在の広島県東部に位置する備後地方や香川県島嶼部などと併せて大和朝廷に並ぶほどの勢力を持っていた。
江戸時代初期には岡山に池田氏、津山に森氏が外様大名として入封し、城下町を形成した。特に池田綱政は日本三名園の後楽園を造成し、閑谷学校を開くなど、文化・教育面に多大な功績を残した。
県内を南北に流れる3つの一級河川(高梁川・旭川・吉井川)による潤沢な水源、温暖で長い日照時間、江戸時代から昭和戦後期にかけて瀬戸内海の大規模な干拓で広い農地が形成された事を背景として、水稲や麦、果樹の生産が盛んである。特に白桃、マスカット・オブ・アレキサンドリア、ピオーネなどは生産量日本一であり、品質の高さから国内外に向けて高値で出荷されている。
県北の標高1,200メートルに位置する蒜山高原では、ジャージー牛の大規模な放牧が行われており、チーズ、ヨーグルト、アイスクリームなどに加工されている。
戦前までは一次産業と紡績などの軽工業が県の主要産業であったが、戦後は水島地区の川崎製鉄、笠岡地区の日本鋼管と県内に大規模な二つの銑鋼一貫製鉄所が建造されるなど臨海部を中心に重工業化が進み工業県へと変貌した。両製鉄所はいずれも世界有数の生産量を誇り、特に福山地区の年間粗鉄生産能力は1200万トン規模と国内最大であり単独の製鉄工場としては世界上位である。
近年では瀬戸内市で2018年10月に運転を開始した「瀬戸内 Kirei 太陽光発電所建設プロジェクト」、2019年12月に運転を開始した日本最大の257.7メガワットの太陽光発電所となる作東メガソーラー発電所、真庭市の木質バイオマス発電事業など自然エネルギーを活用する再生可能エネルギーの推進が県下全域で進められている。
県庁所在地における快晴日数の多さや降水量1ミリ未満の日数が全国最多であることから、1989年から「晴れの国 おかやま」を県のキャッチフレーズとしている。
歴史
県名は県庁所在地の岡山市に由来する。「岡山」とは、もともと現在の岡山城のある場所に存在した小高い丘のことを指して呼んだものであったが、戦国時代に宇喜多秀家が「岡山」に城を築き、その後形成された城下町を含めて岡山と呼ぶようになったことに由来する。なお、秀家の書状から「岡山」が城下町の地名として呼ばれ始めたのは文禄3年(1594年)ごろからであると推測される。
古墳時代
古代には吉備国といわれ、畿内地域や北九州地域、出雲地域などとともに、日本列島の中心地のひとつとして栄えていた地域である。
吉備国は畿内勢力と同盟関係を築いて日本列島の統一期(4世紀中葉)に影響を与えた。優れた鉄製技術を持ち、その支配地域は現在の岡山県・広島県中東部・香川県島嶼部・兵庫県播磨地方に及び、加古川を境界とし、さらには四国や芸予諸島にも至っていたと推定されている。
また、大きさが全国の古墳の中で第4位、一般人でも立ち入れる古墳としては全国第1位の規模を持つ造山古墳(岡山市北区)や全国第9位の作山古墳(総社市)、両宮山古墳(赤磐市)などの大型古墳が岡山県内に残されている。
古代
6世紀前半に大和朝廷への臣従したのち、吉備国は勢力抑圧のために備前国、備中国、備後国の3国に分割され、さらには備前国から美作国が分国された。国府は現在の岡山市(備前国)、総社市(備中国)、津山市(美作国)にそれぞれ置かれた。
旧吉備国からは奈良時代に中央政権で権勢を振るった吉備真備や道鏡の天皇位簒奪を阻んだ和気清麻呂らの優れた人材を輩出した。
位 | 市名 | 人 口 ’22/11 | 面 積 |
---|---|---|---|
1 | 岡山市 | 719,320人 | 789.95km2 |
2 | 倉敷市 | 471,367人 | 355.63km2 |
3 | 津山市 | 97,771人 | 506.33km2 |
4 | 玉野市 | 54,264人 | 103.58km2 |
5 | 笠岡市 | 44,404人 | 136.24km2 |
6 | 井原市 | 37,160人 | 243.54km2 |
7 | 総社市 | 69,203人 | 211.90km2 |
8 | 高梁市 | 27,401人 | 546.99km2 |
9 | 新見市 | 26,835人 | 793.29km2 |
10 | 備前市 | 30,878人 | 258.14km2 |
文化・スポーツ
概略
岡山市を中心とする備前地域は池田光政の儒教尊重が家風となり、近代以後も教育熱心な地域と言われる。古今和歌集において「真金吹く 吉備の中山 帯にせる 細谷川の音のさやけさ」と謳われ、吉備を表す枕詞が「真金吹く」であるように、古くから岡山(旧国名は吉備)は古代吉備から連綿と受け継いできた優れた鉄製技術を持っていた。
そのため平安時代の古備前派に端を発し、福岡千軒では福岡一文字や備前長船、そして吉岡一文字、国宗派、また備中国の青江貞次らの青江派などといった有力な刀匠の一派が数々生まれて栄えた。さらに、備前・美濃・相模・山城・大和の5か国の作刀方式を「五箇伝」と呼び、その五箇伝のうち備前伝と美濃伝の刀が傑出して大量に生産されるに至った。また質の面では備前刀があらゆる流派の中でもっとも多く、国宝に指定されている。現在でも備前では刀匠によって刀が生産されている。
一方で陶器の備前焼は日本六古窯のひとつであり、古墳時代の須恵器から発展したもので釉薬をまったくつけずに焼かれる。また何も塗られることもない素朴さと力強さ、炎と火の粉、薪の灰から生じる窯変の味わい、そのわびさびを体現した風貌から千利休や古田織部などといった茶人に愛された。1250度の高温で約2週間焼き締めるため「投げても割れない」と言われ、茶人や公家、武家以外の一般庶民にも広く流通した。鎌倉時代初期までの作品は「古備前」と呼ばれ特に珍重される。金重陶陽といった人間国宝などの活躍もあり、また戦後にも再び脚光を浴びて一躍全国的に有名となった。
津山市を中心とする美作地域では、江戸後期から幕末にかけて宇田川家、箕作家などの洋学の人材を輩出した。
郷土料理
古代以来の農業の盛んな地域で、農産物・水産物は豊富である。主要なものは以下の通り。
など
観光
詳細は「岡山県の観光地」を参照(以下、右側に写真のある名勝のみ)
- 吉備津神社(岡山市北区)- 本殿および拝殿
- 倉敷川畔(倉敷美観地区)(倉敷市)
- 後楽園(岡山市北区)
- 岡山城(岡山市北区)
- 備中高松城跡(岡山市北区)
- 大原美術館
- 野崎家旧宅(倉敷市)
- 吹屋ふるさと村(高梁市)
- 美作三湯
- 岡山シンフォニーホール
- 岡山県倉敷スポーツ公園野球場(倉敷マスカットスタジアム)
人物
詳細は「岡山県出身の人物一覧」を参照
公人
- 犬養毅(第29代内閣総理大臣):備中国賀陽郡庭瀬藩(現・岡山市北区)
- 平沼騏一郎(第35代内閣総理大臣、津山藩士平沼晋の子):津山城下南新座(現・津山市)
- 橋本龍太郎(第82・83代内閣総理大臣、元衆議院議員・橋本龍伍の長男):東京都(橋本家父祖の地である総社市秦を出身地としていた)
- 江田五月(第27代参議院議長、元法務大臣、元科学技術庁長官、江田三郎の長男):上道郡財田村(現・岡山市中区)
- 片山虎之助(元郵政大臣、元自治大臣、元総務庁長官、元総務大臣、参議院議員):小田郡金浦町(現・笠岡市)
- 片山善博(元総務大臣、行政刷新会議議員、元鳥取県知事):赤磐郡瀬戸町(現・岡山市)
- 平沼赳夫(元経済産業大臣、通商産業大臣、運輸大臣、衆議院議員、平沼騏一郎の養子):出生地は東京
- 宇垣一成(陸軍大将):瀬戸町
近代以前の文官、武官、大名、学者など
- 吉備真備(695 – 775)(奈良時代の学者・公卿):備中国下道郡(現・小田郡矢掛町。旧・吉備郡真備町、現・倉敷市説もあり)
- 和気広虫(730 – 99)(女官):備前国和気郡(現・和気郡和気町)
- 和気清麻呂(733 – 99)(公卿):備前国和気郡(現・和気郡和気町)
- 則宗(鎌倉初期の刀工。福岡一文字派の祖。)
- 吉房(鎌倉中期の刀工。福岡一文字派最盛期の代表的鍛冶。)
- 光忠(鎌倉中期の刀工。長船派(おさふねは)の実質的な祖。)
- 北条早雲(1432? – 1519)(戦国武将):井原市
- 宇喜多秀家(1573 – 1655)(戦国武将):備前国上道郡沼村(現・岡山市)
- 宮本武蔵(1584? – 1645)(剣術家、兵法家):美作生誕説と播磨生誕説がある。
- 池田光政(1609 – 82)(岡山藩主):備前国岡山(現・岡山市)
- 池田綱政(1638 – 1714)(岡山藩主):備前国岡山(現・岡山市)
- 緒方洪庵(1810 – 63)(蘭学者):備中国足守(現・岡山市)
芸能
- 秋山寛貴(あきやま ひろき)-お笑いトリオ・ハナコのツッコミ:岡山市
- 浅越ゴエ(あさごえ ごえ)‐お笑い芸人:岡山市
- オダギリジョー(おだぎりじょー)‐俳優:津山市
- 桜井日奈子(さくらい ひなこ)‐モデル:岡山市
- 島田洋八(しまだ ようはち)‐お笑いコンビ・B&Bのメンバー:笠岡市
- 春風亭昇吉(しゅんぷうてい しょうきち)‐落語家
- 水道橋博士(すいどうばし はかせ)‐お笑いコンビ・浅草キッドのメンバー:倉敷市
- 杉浦太陽(すぎうら たいよう)‐俳優、タレント:玉野市(大阪府寝屋川市育ち)
- 大悟(だいご)‐お笑いコンビ・千鳥のボケ:笠岡市
- たける ‐お笑いコンビ・東京ホテイソンのツッコミ:高梁市
- ノブ(のぶ)‐お笑いコンビ・千鳥のツッコミ:井原市
- ハチミツ二郎(はちみつじろう)‐お笑いコンビ・東京ダイナマイトのツッコミ:倉敷市
- MEGUMI(めぐみ)‐タレント:倉敷市
- 八名信夫(やな のぶお)‐俳優:岡山市
声優
ミュージシャン
- atsuko(あつこ)-ミュージシャン、angelaのボーカル:岡山市
- 荒牧陽子(あらまき ようこ)- シンガーソングライター、ものまねシンガー:岡山市
- 稲葉浩志(いなば こうし)- ボーカリスト、作詞家、B’zのボーカル:津山市
- 岡千秋(おか ちあき)- 作曲家、演歌歌手:和気郡日生町(現・備前市)
- 葛城ユキ(かつらぎ ゆき)- ミュージシャン:高梁市
- 甲本ヒロト(こうもと ひろと)- ミュージシャン:岡山市
- 関種子(せき たねこ)- ソプラノ歌手
- 中西圭三(なかにし けいぞう)- シンガーソングライター、作曲家:児島郡灘崎町
- 鼠先輩(ねずみ せんぱい)- ムード歌謡歌手:赤磐市
- 藤井風(ふじい かぜ)- ミュージシャン、ボーカル&ピアノ:里庄町
- 40mP(よんじゅうめーとるぴー)-ボカロP:岡山市
文化人
- 水野晴郎:高梁市
- 法然(1133 – 1212、平安末期から鎌倉初期の僧侶・浄土宗宗祖):美作国久米(現・久米郡久米南町)
- 栄西(1141 – 1215、平安末期から鎌倉初期の禅僧・臨済宗宗祖):備中国賀陽郡宮内(現・岡山市吉備津)
- 黒住宗忠(1780 – 1850、黒住教教祖)
- 金光大神(1814 – 83、金光教教祖)
- 片山潜(労働運動家、社会主義者):久米郡久米南町
- 三宅精一(点字ブロック(視覚障害者誘導用ブロック)の考案者):倉敷市
- 山川均(労働運動家、社会主義者・社会運動家・思想家):倉敷町(現・倉敷市)
- 磯田道史(いそだ みちふみ、日本史):岡山市
- 瀧川幸辰(たきがわ ゆきとき、刑法学者):岡山市
- 仁科芳雄(にしな よしお、日本初のサイクロトロンを建設):浅口郡里庄町
- 田嶋陽子(たじま ようこ、英語学者、フェミニスト女性学者):浅口郡鴨方町(現・浅口市)
- 米川正夫(よねかわ まさお、ロシア文学)
- あさのあつこ(1954 – ):英田郡美作町(現:美作市)湯郷
- 西東三鬼(1900 – 62、俳人):津山市
- 岸本尚毅(1961 – 、俳人):和気郡和気町
- 大山康晴(十五世名人):倉敷市
- 有吉道夫:備前市
- 雪舟(1420 – 1506?):備中国窪屋郡赤浜(現・総社市)
- 竹久夢二(1884 – 1934):邑久郡本庄村(現・瀬戸内市)
- いしいひさいち(ののちゃん作者):玉野市
- 岸本聖史(666〜サタン〜作者):勝田郡奈義町
- 岸本斉史(NARUTO -ナルト-作者):勝田郡奈義町
- 矢吹健太朗(To LOVEる -とらぶる-作者) ※生まれは高知県高知市
スポーツ選手
- 森末慎二(1984年ロサンゼルスオリンピック個人金メダリスト):岡山市
- 人見絹枝(日本陸上女子初のオリンピックメダリスト(1928年アムステルダムオリンピック銀メダリスト)):岡山市
- 有森裕子(マラソン、1992年バルセロナオリンピック銀メダリスト、1996年アトランタオリンピック銅メダリスト):岡山市
- 荒木絵里香(2012年ロンドンオリンピック銅メダリスト):倉敷市
- 石井優希:倉敷市
- 山本由伸(オリックス・バファローズ):備前市
- 星野仙一(1947 – 2018、元・中日ドラゴンズ):倉敷市
- 川相昌弘(1964 – 、元・読売ジャイアンツ、中日ドラゴンズ):岡山市
- 常ノ花寛市(31代横綱、元出羽海理事長):岡山市
- 鷲羽山佳和:倉敷市(旧・児島市)
- 辰吉丈一郎:倉敷市
- 渋野日向子(女子プロゴルファー、2019年全英女子オープン優勝)):岡山市
- 髙橋大輔(フィギュアスケート・2010年バンクーバーオリンピック男子シングル銅メダリスト):倉敷市
- 田中刑事(フィギュアスケート):倉敷市
報道関係
架空の人物・キャラクター
- 乙倉悠貴(『アイドルマスター シンデレラガールズ』)
- 財前五郎(『白い巨塔』):和気郡
- えりぴよ(『推しが武道館いってくれたら死ぬ』):岡山市
岡山県にゆかりのある人物
- 加藤シゲアキ:ジャニーズアイドルグループNEWSのメンバー。父が岡山県出身。かつ父方の祖父母が岡山県在住。
- ケンドーコバヤシ:お笑い芸人。両親が美作市出身。
- 日笠陽子:声優。祖父が岡山市の出身。
- アンジェラ・アキ:シンガーソングライター。中学校時代に岡山市で過ごした。
- 岸信介 :第56・57代内閣総理大臣。山口県吉敷郡山口町 (現・山口市 )生まれだが岡山市立内山下 小学校から岡山中学校 に進学し、山口中学校 に転校。
- 高畑勲:映画監督、アニメーション演出家、プロデューサー。父(高畑浅次郎)が岡山一中校長となり岡山市へ転居。新制の岡山県立岡山朝日高等学校卒業。
- 秦佐八郎:細菌学者。14歳で秦家より養子に迎えられ、私立岡山薬学校(現:関西高等学校)、第三高等中学校医学部(現:岡山大学医学部)を卒業。
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