Rxヒットアーティスト列伝 ~西野カナ(Kana Nishino)~

はじめに】
この記事では、私の「Rxヒット指標」に基づき歌手/アーティストのヒット曲を振り返っていきます。今回取り上げるのは「西野カナ」さんです。

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Rxヒット指標でみる代表曲

早速、私の「Rxヒット指標」(2022年版)で集計した上位楽曲たちの表をご覧ください。

私の指標では、「ダウンロード売上」は主観的な経験則から、フル配信は「÷2」、着うたは「÷5」をして合算算出しています。また、「再生回数」指標については、CDリリースからしばらく経ってShort PVが公開された楽曲は「÷100万回」、タイムラグが少ない場合は平成年間通常の「÷300万回」としています。

あくまでも、細かい数字を捉えるのではなく、「大体のトレンド」を掴む際のヒントぐらいに見て頂ければ有り難いです。

1位:約105万pt「トリセツ」

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いわば“後期ブレイク”ともいえる2010年代中盤の代表曲となったのが「トリセツ」です。

この曲の強さを示す指標として、RIAJ(日本レコード協会)「ストリーミング認定」を取り上げます。

西野カナさんは、平成20年代の「ダウンロード配信」において圧倒的な安定感を示しました。また、YouTube上でも再生回数はそこそこのアベレージを記録しています。

一方で、令和時代に本格的な発表が始まったRIAJ(日本レコード協会)の「ストリーミング認定」で、「トリセツ」はゴールド認定(対象期間で5,000万回再生)を受けています。HPより引用します。

RIAJ(日本レコード協会) ホーム > 統計情報 > ストリーミング認定 > ストリーミング認定検索

西野カナの楽曲で、同認定を受けているのは2022年3月現在で「トリセツ」以外にありません。しかも注目すべきは「シルバー(3,000万回再生)」から「ゴールド(5,000万回再生)」の認定を受けるまでの期間が「1年強」である点でしょう。100万回単位でのハイアベレージを記録しているという事実は平成年間にリリースされた楽曲としては非常に強いチャートアクションです。

YouTubeのMV(Short Ver.)も約7,000万回に達しており、楽曲人気を反映しています。後期ブレイク期を少し過ぎた2016年になって「日本レコード大賞」の大賞を受賞したりと「格」が後からついてきた印象ですが、基本的にこの時期の代表曲はこの「トリセツ」ではないかと思います。

以下に示す他の楽曲と違い、ロングヒットの傾向が一番強く、今後もわが指標のポイントを加算していくことが窺えますから、2位以下を将来的には引き離していくのではないかと予想されます。

2位:約100万pt「会いたくて会いたくて」

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10枚目のシングルではあるものの、デビュー3年、二十歳を過ぎたばかりの若手という印象が強かった「西野カナ」の“前期ブレイク”を決定づけたのが、この「会いたくて 会いたくて」でしょう。

(今はなき)RIAJ有料音楽配信チャートでは年間1位に認定されているほか、着うたフル配信でのミリオン達成スピードは歴代2位だったことからも、「デジタル配信」以降の成熟期に近づく2010年らしさが目立つヒット曲だったと思います。

CD売上、配信売上、YouTube再生回数、カバー回数などにおいても、西野カナ楽曲の中でも全ての指標で高順位を保っており、まさに「代表曲」といえる得点の稼ぎ方をしています。

ただ注意すべき点としては、当時の彼女の快進撃の中において、「特筆すべき好成績」を挙げているとは言い難く長期トレンドにおいては「トリセツ」から水をあけられる傾向にある とも言えます。

ネットなどで“歌詞やタイトル”と絡めて話題になったこともありますが、前期ブレイク期においては「出す曲、出す曲、全部配信ミリオン」だったこともあり、長い年月を経ても「淘汰されなかった」という印象も個人的に受けています。(どこかのタイミングで「配信ダブルミリオン」にまで到達すればひょっとすると流れが変わってくるかも知れませんが)

3位:約90万pt「君って」

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3位以下は「デジタル配信ミリオン認定」による得点が殆どを占めています。2010年±1年において、「もっと…」、「Dear…」、「Best Friend」、「if」、「君って」、「たとえ どんなに…」などと、配信ミリオン級のヒットは複数出ています。

ただ、これらの曲が「西野カナ」以外のファンに波及するリバイバルヒットになったり、2010年代後半に入って新たな認定をなかなか得られていないところを見ると、これ以上の上澄みはなかなか難しいのかなとも感じている次第です。

「着うた(時代)の歌姫/女王」の楽曲たちが、令和のサブスクの時代にどんなロングヒットに繋がるかを今後も注視していきたいと思います。

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