競馬歳時記【12月3週】「ターコイズS」

【はじめに】
重賞競走の歴史を振り返りながら季節の移ろいを感じる「競馬歳時記」。今回は「ターコイズS」の歴史をWikipediaと共に振り返っていきましょう。

ターコイズステークスは、日本中央競馬会(JRA)が中山競馬場で施行する中央競馬重賞競走GIII)である。

競走名の「ターコイズ(Turquoise)」は、12月誕生石の一種であるトルコ石。色は碧青または淡緑で、その独特な色合いから「ターコイズブルー」とも呼ばれる。トルコでは産出されないが、トルコを通じてヨーロッパに輸入されたためトルコ石の名がついたといわれている。

ターコイズステークス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

前身:牝馬限定の条件戦・オープン時代

「ターコイズS」について、ウィキペディアでは重賞昇格の前の歴史が1982年から掲載されています。しかし、netkeiba.comさんのデータベースによると、更にその3年前の1979年から、1200万下条件戦として開催が始まっていたのです。

重賞としての歴史は2015年からですが、それ以前にオープン特別としての時代が33年あり、さらに遡って3年は条件戦として「ターコイズS」というレースが行われてきたことを抑えた上で、実質的な前身競走をみていきたいと思います。

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「ターコイズ」が12月の誕生石である『トルコ石』ということを思うと、初回から12月に開催されてきたという事実は受け入れやすいかと思います。しかしそれだけでなく、「中山開催」というのも「牝馬限定戦」というのも、実質的な初回である1979年(条件戦時代)から一貫してきたのです。

初回(1979年12月9日、中山10レース、現3歳以上1200万下条件戦、芝1800m)

距離に関しては若干の動きがありますが、このマイル~中距離近辺から変わっていません。そうした意味で、回次は引き継ぎませんが、やはり前身と見做して差し支えないぐらいの競走だと確信しますね。

時期距離条件主な勝ち馬
1979~8112月上旬1800m1200万下
1982~8312月中旬1800mオープン1983:ダイナカール
1984~9112月中旬2000mオープン1991:キョウエイタップ
1992~9312月中旬1800mオープン1992:スカーレットブーケ
1994~0512月上旬1800mオープン1996:クロカミ
2006~1412月上旬1600mオープン2012:サウンドオブハート

条件については上にまとめた通り、四半世紀の間に5度ほどの大きな変革がありました。条件、距離、時期の微調整がしばしば起きましたが、大枠は変わらず後身の重賞に引き継がれています。

さて、時期ごとの代表的な勝ち馬を挙げましたが、例えば1983年の【ダイナカール】や1992年の【スカーレットブーケ】といった具合に、名繁殖牝馬として知られる馬がこのレースを勝っています。

当時のレーシングカレンダーをみると、牝馬3冠最終戦「エリザベス女王杯」に出走した現3歳馬や、牡馬を相手に八大競走(天皇賞秋・ジャパンC・有馬記念)を戦えるほどではない重賞クラスの牝馬が積極的にここを選択してきていたように感じます。斤量が重たくなるほどの実績馬を除いた形での歳末の古牝馬の実力馬の舞台といった様相もあったかと思います。

重賞昇格後(2015年~)

そして、創設から約四半世紀を経た2015年、ついに「ターコイズS」は重賞に昇格します。ほぼ同時期に行われ、牝馬限定戦としての機能を与えられていた「愛知杯」の時期を1ヶ月後ろ倒しにするという形で、年末の牝馬の名物レースが昇格したのは印象的でした。

やはり「ターコイズ」という動かしがたいレース名だったことも影響していたと見られます。もちろん全体のレーシングカレンダーを見定めての判断だったかとは思いますが(^^;

GII・GIII競走等

2015年の日本競馬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

初回は「新設重賞」として、2年目は「重賞」として開催され、3年目の2017年には順調に「GIII」を格付けされて現在に至ります。下の表には、レースレーティングを補記させてもらいました。

第1回2015年12月19日シングウィズジョイ牝31:35.7
第2回2016年12月17日106.00マジックタイム牝51:33.6
第3回2017年12月16日106.50ミスパンテール牝31:34.2
第4回2018年12月15日106.75ミスパンテール牝41:32.7
第5回2019年12月14日105.25コントラチェック牝31:32.2
第6回2020年12月19日105.25スマイルカナ牝31:34.6
第7回2021年12月18日104.00ミスニューヨーク牝41:32.8

ハンデ戦ということで、初回は11番人気のシングウィズジョイが優勝する波乱となりましたが、2回目以降は比較的人気サイドの馬が勝ちました。

そして、ミスパンテールが連覇を果たしているだけでなく、同じく2017・18年と2年連続でデンコウアンジュが3着に入ったり、2020・21年にアンドラステが2着に入ったりと、リピーターが多い印象もあるレースです。中山マイルという舞台設定の存在は大きいかと知れません。

レースレーティングをみると、創設当初は牝馬G3の目安:101ポンドどころか、牝馬G2の目安:106ポンドすらも上回る年が続いていましたが、令和に入ってやや下降トレンドとなっています。それでも、年末にG3格をしっかりと堅持して、王道G1や海外に遠征できない牝馬たちの出走の機会という意味では意義あるレースとなっています。

今年は果たして3歳馬が活躍するのか、はたまたリピーターが激走を再び見せるか。注目しましょう。

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