【はじめに】
この記事では、私(Rx)が独断と偏見で決めた【妄想企画】「Rx紅白歌合戦」の曲順などを振り返ってまいります。各時代を彩ったヒット曲などを振り返る際のひとつの参考となれば幸いです。
第21~30回の紅白トリ一覧
- 緑が各回の「大トリ」、黄色は「初出場」でトリを飾ったことを表す
(↑)「Rx紅白歌合戦」第1~20回(1926~1945年)はこちらからどうぞ
第21~30回(1946~1955年)
第21回(1946年):岡本敦郎、越路吹雪らが初出場
出場回数の多い歌手と少ない歌手がほぼ半々となった第21回。前半には岡本敦郎や越路吹雪が初出場し、後半には同じく初出場の奈良光枝と『悲しき竹笛』をデュエット。
リンゴの唄は2年連続トリを避けるためトリ前となり、トリは白組が『かえり船』、紅組は川田正子の『みかんの花咲く丘』が務めた。
第22回(1947年):笠置シヅ子、7年ぶり出場で大トリ
後半はヒット曲が連発し、音楽業界の本格的な復興を予感させる様なラインナップ。『星の流れに』や『長崎エレヂー』などが続いた中、大トリを飾ったのは1940年以来7年ぶりの出場となった笠置シヅ子。曲はもちろん『東京ブギウギ』であった。
第23回(1948年):憧れのハワイ航路vs湯の町エレジーのトリ争い
半年近く「いわゆる年間1位」を争ってきたような2曲(憧れのハワイ航路 vs 湯の町エレジー)。結局、湯の町エレジーが大トリを飾り、別方面からヒットした『炭坑節』とトリを争った。
第24回(1949年):ひばり初出場、1940年代屈指のヒット曲が連発
紅組のトップバッターは計36回出場(トリ10回)を数えることとなる【美空ひばり】。また、白組からは鶴田浩二が続けて登場。中盤には「うたのおばさん」からのものを含めたメドレーが連発。
終盤は1940年代の中でも屈指の充実ぶりで『かりそめの恋』、『夏の思い出』、『銀座カンカン娘』から『ホームラン・ブギ』と紅組が畳み掛けると、白組は『栄冠は君に輝く』を伊藤久男が斉唱。
そして紅組トリは当年大ヒットした『トンコ節』であり、白組には藤山一郎だけでなく昭和全体を代表する『青い山脈 ~ 長崎の鐘』のメドレーで締められた。
第25回(1950年):藤山一郎初の15回出場を達成
前半トリの藤山一郎が初の15回目の出場を達成。後半には越路吹雪や山口淑子(←李香蘭)が復帰の出場。そして美空ひばりは13歳にしてスターの中で2曲を堂々熱唱。白組トリは伊藤久男による『イヨマンテの夜』で、翌年以降『のど自慢』の常連曲として一世を風靡することに。
第26回(1951年):明るい歌が大半を占める主権回復前夜
平和条約が締結され、翌年春の主権回復を前にしたタイミング。後半は例年に比べて明るい歌の占める割合の高さが目立ち、白組トリは大人気の『三木鶏郎楽団』、紅組トリは久保幸江が『トンコ節』から『ヤットン節』へと繋いで会場を盛り上げた。
第27回(1952年):15歳のひばりが初の紅組トリ
オープニングは好評を博したラジオ『三つの歌』から、白組トップバッターは中山晋平先生に捧ぐメドレー形式。紅組は約半数が初出場で、紅組トリ前には『テネシー・ワルツ』が大ヒットした江利チエミが初出場。そして紅組トリで『美空ひばり』が会場を沸かせた。
なお、両軍歌唱後には、勝敗をつけるべきではないとして11年ぶりに審査対象外となるデュエットが披露され、『モンテンルパ』が歌唱されたと伝わる。
第28回(1953年):テレビ本放送開始年、三人娘が出揃う
18回出場(大トリ2年連続)の春日八郎が『赤いランプの終列車』で白組トップバッター。テレビの本放送が始まった同年はステージ狭しと動き回るパフォーマンスも目立ち、洋楽も増加。その中でも、雪村いづみが初出場を果たし、江利・雪村・美空の三人娘が初めて出揃う。
他方、紅組の終盤には宮城まり子の『毒消しゃいらんかね』や織井茂子の『君の名は』が並ぶなど、ラジオがなおスタッフ陣の中ではヒット曲の中心だったことがうかがえる。
第29回(1954年):岸壁の母とお富さんによるトリ対決
初出場が序盤に集中し、紅白3組連続で初という布陣。戦前からのアーティストが後半にかけて増えていく一方、トリは『岸壁の母』と『お富さん』という同年を代表するヒット曲たち。春日八郎は、初出場トップバッターの翌年にいきなりの大トリ起用となった。
第30回(1955年):トリ前に初登場対決(島倉 vs 三橋)
鈴木三重子・鈴木正夫の親子出演や、「三人娘」ステージが中盤に組まれ、各国のカバーからロックまで多彩だった中盤とは一転。終盤は和風対決に。
トリ前は34回出場(6回トリ)の「島倉千代子」と、20回出場(5回トリ)の「三橋美智也」という若き実力者対決で、トリでは『月がとっても青いから』vs『別れの一本杉』という対戦。
なお、後半トップバッター対決も、「中村メイコ」vs「森繁久彌」という民放も含めたラジオの成熟期に相応しい初登場同士の対戦だったことは注目に値する。
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