旧震度「京都」(京都市中京区西ノ京)

【はじめに】
この記事では、気象官署「京都地方気象台(京都府京都市中京区西ノ京)」で観測された過去の強烈な揺れをまとめていきます。

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2022年春に起きている小規模な地震についても最後に簡単にまとめてありますので、ぜひ最後までお読みください。(※)今回の記事で対象となるのは、京都市中京区の「京都地方気象台」です。

京都地方気象台について

京都地方気象台は、京都府京都市中京区にある地方気象台。

京都地方気象台
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
( 同上 )

ウィキペディアの記述は、大半が気象に関する事項なので、気象庁のホームページから京都府内の震度観測点一覧を抜粋して画像引用します。一貫して観測しているのは、1885年からの「京都」のみです。

地域名称震度観測点名称観測点所在地緯度
(度)
緯度
(分)
経度
(度)
経度
(分)
観測開始
京都府南部京都中京区西ノ京京都市中京区
西ノ京笠殿町38
(京都地方気象台)
350.913544.01885年
(出典)気象庁 ホーム > 各種データ・資料 > 強震観測データ > 気象庁震度観測点一覧表

明治18年から地震観測歴のある「京都」ですが、気象庁の震度データベースでは1919年(大正8年)からのデータを観測できます。100年あまりの歴史を見ていきましょう。

約100年で有感地震は1000回超

まずは「京都地方気象台」で1920年から2019年までの100年間に観測した震度のデータを10年代ごとに集計する機能を使って出力しました。下の表となります。

期間震度1震度2震度3震度45弱合計
1920年代10922411137
1930年代571661282
1940年代110501160177
1950年代732212098
1960年代73461110131
1970年代422481075
1980年代60311000101
1990年代8633911130
2000年代671781093
2010年代651831087
合計742279711541111
(出典)気象庁 震度データベース検索
・地震の発生日時 : 1920/01/01 00:00 ~ 2019/12/31 23:59
・観測された震度 : 京都中京区西ノ京 で 震度1以上 を観測
・地震回数の集計 : 年代別回数

ざっくり100年間で1,111回、10年間で100回前後、年10回前後という平均値となりました。月に1回ぐらい人の感じる地震があるかどうかというのが普段の姿なのかも知れません。

時代によっても、体感から震度計観測になったことも、殆ど偏りはなく、綺麗な推移を辿っている印象です。※他の観測点では、大半、特定の時期に桁が違うぐらい地震活動が活発になったり、古い時代だと震度の分布(震度4がその後の時代よりかなり多いなど)にブレがある方が多いぐらいです。

では、次からは震度ごとにもう少し細かく見ていきましょう。

震度5クラス:戦後は「阪神・淡路大震災」のみ

まず、「震度5(強震)」クラスです。震度計での計測に完全移行してからは観測例がなく、直近例は1995年の「阪神・淡路大震災」です。また、それ以前の例が1936年まで飛ぶことになり、半世紀以上「強震」は観測されていなかったこととなります。

地震の発生日時震央地名深さ最大震度「京都」
1927/03/07 18:27:39.2京都府北部18 km7.3震度6震度5
1936/01/08 04:33:35.5京都府南部8 km4.5震度5震度5
1936/02/21 10:07:58.2奈良県18 km6.4震度5震度5
1995/01/17 05:46:51.8大阪湾16 km7.3震度7震度5
(出典)気象庁 震度データベース
・地震の発生日時 : 1920/01/01 00:00 ~ 2019/12/31 23:59
・観測された震度 : 京都中京区西ノ京 で 震度5弱以上 を観測
・検索結果地震数 : 4 地震 (「地震の発生日時の古い順」で検索)

1927年の「北丹後地震」と1995年の「阪神・淡路大震災」は、京都市からかなり離れた地点(ほぼ内陸にかかる領域)で起きたM7.3の大地震です。震源地では激烈な揺れを観測し、震源から少し離れた「京都」でも震度5に達したという事例です。

また、1936年には、小規模な直下型地震(M4.5)で震度5を観測(京都府南部では唯一の事例)したほか、翌2月に「河内大和地震」が起きて、こちらも震度5を観測しています。

兵庫県南部地震
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

特に、阪神・淡路大震災を引き起こした「兵庫県南部地震」では、姫路や大阪よりも1階級大きい震度となっていて、当時の災害報道などを見ても、京都市内のホテルなどでガラスが割れるなどの建物被害が発生していたことが伝わります。

言い方を変えると、ここ最近(阪神・淡路大震災を除くと昭和の前半からずっと)強い揺れにあまり見舞われていないという実態もあるのです。ここは実は、京都市内の方々も注意が必要かも知れません。

震度4:15回(直近は2018年の大阪北部地震)

次に、「震度4」にまで対象を広げると、直近100年で約15回(震度5を含めると19回)となります。

気象庁 震度データベース検索 より「京都」での震度4以上を検索し、画像引用

実は地震の発生場所をみると、近畿とその隣県に集中していることが分かります。そして、これも時代的には半世紀以上前にかなり集中している傾向にあり、1922~1971年で14回を数え、1972~2021年では5回にとどまっている点は抑えておく必要があるかも知れません。

そして、ここ20年(2002年以降)では、僅か1回しか「震度4」を観測しておらず、その他はすべて震度3以下となっている点においても、やはり京都市内は地震への備えに注意が必要そうです。

直近例は2018年の「大阪北部地震(最大震度6弱)」です。京都市内でも、西ノ京は震度4でしたが、同じ中京区でも「河原町御池」は震度5強でしたし、京都府内でも9地点が震度5強でした。特にこの「京都地方気象台」のある地点に限って今回はお話ししていますが、同じ市内でも震度が1~2階級は異なることがあることも抑えておきましょう。

その他、M3以上が連発した事例

その他、震度3以下から特筆すべき事例として以下のパターンを挙げたいと思います。2022年もそうですが、1ヶ月程度の間に、震度3前後(またはM3以上)の地震が複数回発生したケースです。

・震源:「京都府南部」または「大阪府北部」
・「京都地方気象台」で有感(震度1以上)
・マグニチュード3以上

抽出基準を以下のとおりとして、下記の表のように纏めてみました。ご覧ください。

開始日最初の地震1週間1ヶ月
1931/05/31M3.8・弱3回3回
1948/03/10M4.5・軽3回3回
1949/08/10M4.5・微5回5回
1966/03/07M3.6・軽3回5回
1968/08/18M5.6・弱4回13回
1970/08/21M3.5・微3回3回
1987/05/28M5.0・弱4回6回
1987/09/21M4.2・軽2回5回
1989/11/11M4.2・軽3回3回
1991/08/31M4.2・軽2回3回
2000/05/16M4.4・軽4回4回
2018/06/18M6.1・中6回7回
2022/03/31M4.4・弱2回7回
1列目が最初の地震が起きた日付、2列目がその地震の規模と「京都」における震度(旧震度階級での表記)、3列目が最初の地震が起きてから7日間、4列目は1ヶ月間での「M3以上の『京都』での有感」の回数です。

20年に3回ぐらいは起きてきたイベントでありますが、今回(2022年)は少し長期化していることと、M4前後の地震が5度発生している点が特徴的かも知れません。約1か月が経った4月25・30日、そして5月2日にはM4クラスの地震が発生し、震度3を複数回観測しています。

こちらはもう少し対象範囲を広くして、M3未満を含んでいます。最初のM4.4の地震が発生をしてから1か月余り後のゴールデンウィーク期間中のM4クラスの地震2回まで一つの表として画像引用します。

地震の発生日時震央地名深さ最大震度「京都」
2022/03/31 23:34:10.4京都府南部13 km4.4震度4震度3
2022/04/01 10:50:34.0京都府南部13 km2.9震度1震度1
2022/04/03 18:58:33.7大阪府北部11 km3.9震度3震度2
2022/04/11 16:28:59.6京都府南部14 km3.5震度2震度1
2022/04/13 11:11:09.9京都府南部13 km3.1震度1震度1
2022/04/13 11:12:31.2京都府南部13 km3.9震度2震度2
2022/04/25 13:10:43.4京都府南部14 km4.1震度3震度3
2022/04/30 18:06:45.0京都府南部12 km4.3震度3震度2
2022/05/02 22:21:03.1京都府南部13 km4.4震度4震度3
2022/05/21 21:35:51.7京都府南部14 km3.5震度2震度2
2022/06/03 05:05:34.8京都府南部12 km3.4震度2震度1
(出典)気象庁 震度データベース検索
・地震の発生日時 : 2022/03/31 00:00 ~ 2022/06/30 23:59
・観測された震度 : 京都中京区西ノ京 で 震度1以上 を観測
・検索結果地震数 : 11 地震 (「地震の発生日時の古い順」で検索)

「京都府南部」を震源とし、「京都地方気象台」で震度3以上を複数回観測した地震

そこで、上の条件に絞って、一連の地震活動(っぽい)ものに限定し、簡単ですが表にしてみました。特筆すべきは、「震度3」を観測したのが3回目なのは「震度データベース検索」上は初めてであり、その期間も1か月を超えて長期化していることが確かに少し気になります。

発生年1回目2回目3回目
1931年05/31・M3.806/06・M3.9
1936年01/08・M4.502/05・M4.5
1968年08/18・M5.608/27・M4.9
1988年12/13・M4.201/04・M3.5
2022年03/31・M4.404/25・M4.105/02・M4.4

しかし、例えば、1968年の事例のように、最初に「M5.6」が起き、その後もM3後半が連発したこともあります。下などの事象が今もし起きたら、京都周辺の方は相当怖いのではないかと思いますね。

地震の発生日時震央地名深 さ最大震度「京都」
1968/08/18 16:12:17.6京都府南部19 km5.6震度4震度3
1968/08/18 16:13:12.1京都府南部13 km5.1震度3震度2
1968/08/18 16:19:51.1京都府南部12 km4.5震度2震度2
1968/08/18 16:25:54.3京都府南部3 km3.7震度2震度1
1968/08/27 21:58:45.6京都府南部10 km4.9震度3震度3
1968/08/27 22:52:54.6京都府南部8 km4.4震度2震度2
1968/08/28 16:21:21.7京都府北部15 km3.6震度2震度1
1968/08/31 11:14:10.3京都府南部18 km4.3震度2震度2
1968/09/03 03:41:57.8京都府南部13 km3.6震度2震度2
1968/09/03 06:18:27.1京都府南部15 km3.9震度2震度1
1968/09/04 00:00:40.4京都府南部17 km3.7震度2震度1
1968/09/07 01:36:14.7京都府南部24 km4.6震度3震度2
1968/09/11 14:49:10.5京都府南部2 km4.1震度2震度1
1968/09/18 15:46:58.4京都府南部14 km4.2震度2震度1
1968/10/06 04:36:06.5京都府南部15 km4.4震度2震度2
1968/10/10 12:59:01.3京都府南部15 km3.6震度2震度1
(出典)気象庁 震度データベース検索
・地震の発生日時 : 1968/08/01 00:00 ~ 1968/10/31 23:59
・地震の規模 : M 0.1 以上、M 9.9 以下
・観測された震度 : 京都中京区西ノ京 で 震度1以上 を観測
・検索結果地震数 : 16 地震 (「地震の発生日時の古い順」で検索)

なので、今回の京都付近で起きているような事例に類するものは過去にも例がありはします。こちらも他の事例と同様、不必要に恐れるよりも寧ろ京都付近は震度4以上の地震がここ最近少なかったので、地震への心構えや備えを再度引き締める契機にしていただければと思います。

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