ウィキペディアで「全壊率」が高い地震などについてまとめてみた

ウィキペディアに学ぶ「家屋倒壊率と震度7」

家屋倒壊率と震度
1923年関東地震、1948年福井地震、1952年十勝沖地震では、墓石の転倒と木造建築の被害率を検討した結果、これら3つの地震は平均的に見れば同一震度で木造建物はかなり近い全壊率を生じたことが判明している。

さらに、家屋全壊率と死者数との関係は、1891年濃尾地震と1948年福井地震では大きく変わっておらず、少なくとも濃尾地震から福井地震に至る同一震度における家屋の全壊率は大きくは変わっていないとする研究がある。

……耐震基準は1981年に見直され、震度7(激震)が始めて適用された1995年兵庫県南部地震当時では木造家屋の耐震性が1948年福井地震当時とは異なっており、福井地震における家屋倒壊率30 %以上の領域は兵庫県南部地震における家屋倒壊率10 %以上の領域に相当するとの見積もりがある。福井地震の家屋被害の範囲は兵庫県南部地震より遥かに広いものであったが、強震動を評価すると両地震共計測震度7に相当すると推定される領域は限定的なものとなる。

震度7
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

時代によって家屋の強度に違いがあるため、「全壊率」だけで「揺れの強さ」を比較することはできないという指摘は一理あります。一方、家屋が全壊する時にそこに暮らす人々の恐怖や被害というのは、家屋の強度ほど変化していないのではないかと感じます。

家屋の強度は違えど、100年前も、現代も、家屋全壊率30%以上となった地域における絶望感は大きく変化しないのではないでしょうか。

また地震による地殻変動が数十センチから数メートルに及ぶような大地震であれば、いかに免震・耐震を極めつつある現代であっても無傷ではないでしょう。今回はそういった観点から、過去の古今東西の地震をまとめていきたく思います。

19世紀以前

江戸時代から明治時代にかけては、全壊(資料によって全潰)率が非常に高い内陸地震が見られます。犠牲者数は幕末では【善光寺地震】、明治期には【濃尾地震】が多いですが、その中でも濃尾地震のM8.0という巨大な規模と、断層の変動幅は世界的にみても特筆すべきものです。

発生年地震・震源名M変動全壊率他犠牲(人)
1804象潟地震M7.02m程倒壊70%500+
1854善光寺地震M7.4約1万
1858飛越地震M7.0
~7.1
倒壊100%426
1891濃尾地震Mj8.0
Mw8.0
水平7.6m倒壊90%7,273
1896陸羽地震Mj7.2垂直3.5m全半壊7割209

20世紀前半

大正時代では関東大震災、昭和初頭では北丹後地震などが非常に高い死亡率を記録しています。また、戦中戦後にかけては家屋の強度も低かったことも災いし、極めて悲惨な被害をもたらしています。

発生年地震・震源名M変動全壊率他犠牲(人)
1909姉川地震M6.8沈降
数十cm
全半壊9割41
1914秋田仙北地震Mj6.4
~7.1
全壊約8割
死傷10%
94
1923関東大震災Mj7.9隆起1.8m全壊100%105,385
1925北但馬地震M6.8倒壊99%
死亡8%
428
1927北丹後地震Mj7.3
Mw7.0
南2.7m倒壊90%
死亡22%
2,925
1930北伊豆地震Mj7.3北2.7m全壊40%272
1939男鹿地震Mj6.8
Mw6.9
0.44m全潰60%27
1943鳥取地震Mj7.2
Mw7.0
東1.5m全壊80%1,083
1944昭和東南海地震沈降0.5m1,223
1946昭和南海地震Mj8.0全壊70%1,362
1948福井地震Mj7.1
Mw6.8
堤防沈
4.5m
全壊約100
死亡5%
3,769

20世紀後半以降

近年は、戦中戦後に比べて頻度こそ減っていますが、それでも時折、局地的に高い全壊率を誇る地震が発生をしています。21世紀に入っても、例えば「福岡県西方沖地震」での玄界島における家屋被害(ブルーシートに覆われた高台の住宅群など)は当時をご存知の方なら記憶にあるでしょう。

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発生年地震・震源名M変動全壊率他犠牲(人)
1995兵庫県南部地震Mj7.3
Mw6.9
横ずれ
2m
鷹取
全壊59%
6,437
2005福岡県西方沖地震Mj7.0
Mw6.7
2-3m玄界島
全壊5割
1
2011東日本大震災Mj8.4
Mw9.0
沈降
1.2m
福島/矢吹
全半3割
2016熊本地震Mj7.3
Mw7.0
水平
約2m
273

そして、実は「東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)」でも、福島県の中通りの南部あたりを中心に内陸部でも家屋全半壊の被害が大きく出ている地域があります。

あまりにも津波による被害が甚大だったため着目されませんが、3月11日の本震での矢吹町では3割近い住宅が全半壊の被害を受けていたようです。また、翌3月12日の「長野県北部地震(栄村)」でも、かつての震度7に相当するような家屋被害が認められたとされています。

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また、ウィキペディアに値がなかったのでこの表には書きませんが、2016年の【熊本地震】では、熊本県・益城町を中心に極めて多くの家屋損壊が認められたのは記憶に新しいところです。

(参考)海外の主な事例

世界に目を向けると、例えば過去半世紀でこういった顕著な事例が思い浮かびます。内陸の大地震で、いわゆる「家屋皆潰」といった状況が広範囲に及んだ事例を3つほど書いてみました(↓)。

発生年地震・震源名M変動全壊率他犠牲(人)
1976唐山地震M7.5水平
1.5m
全壊94%
被害21%
242,419
~80万
2008四川大地震Ms7.9
Mw8.0
数万
2023トルコ・シリア地震Mw7.89.1m5.2万+

日本の産業技術総合研究所の分析によると、活断層によって地表が最大約9.1メートルずれたことが判明した。日本の観測史上最大の内陸地震である濃尾地震(M8.0)の約8メートルを超え、水平方向のずれとしては世界最大級である[31]

トルコ・シリア地震
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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